大阪府・市が候補地を「夢洲」として、進めていたカジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致計画。事業者は「日本MGMリゾーツ」と、「オリックス」を中心として設立した「大阪IR株式会社」を指定して、2029年冬ごろの開業を目指しています。
大阪の横山英幸市長は「大阪の転換点になると思います」
このカジノ誘致に関して、国土交通大臣が大阪の「区域整備計画」の認定を行うと政府が正式に発表。これによって、大阪に日本で初となるカジノを含む統合型リゾートが誕生することになります。
今回の決定に対して、岸田文雄首相は「国内外から多くの観光客を呼び込むものとして、我が国が観光立国を推進する上で重要な取り組み」とコメント。大本命と言われ準備を進めてきた大阪府・市にとっては、うれしい認定となりました。
大阪市の横山英幸市長は記者会見で、「大阪の転換点になると思います」と喜びのコメントを発表しています。
今回のカジノ誘致に関して、初期投資は約1兆800億円で、来場者は年間2000万人を想定しています。年間売り上げに関しては、約5200億円を目標として、その8割をカジノで稼ぐ試算です。また、カジノを含む統合型リゾートの関連施設などで、約9万3000人の雇用が生まれると言われています。※1
【参照】※1:大阪府「大阪・夢洲地区特定複合観光施設区域の整備に関する計画の認定について」
夢洲の土壌問題やギャンブル依存症対策が課題に
歓喜にわく大阪ですが、反対意見も多く出ている現状です。候補地となっている夢洲では土壌問題が出ています。土壌汚染や液状化などのリスクがあるとされ、大阪市が約790億円もの対策費を投じると発表しています。
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また、カジノができることでギャンブル依存症患者が増えるのではないかと、市民からは心配の声も出ています。
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問題もある大阪府・市の申請に対して、25項目からなる審査の結果は1000点中で「657.9点」だったと関西テレビなどが報じています。600点以上が認定の条件で「認定し得る計画」と評価されたそうです。
また、長崎県に関しては、ハウステンボスへの誘致について審査を継続すると発表。理由や認定時期などは、明らかにされていないようです。
記者の一言メモ
ついに大阪で、カジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致計画が認定されました。今後、問題点をクリアしながら、カジノ開業を実現させていく必要があります。
【参照】FNNプライムオンライン「大阪「IR計画」認定 年間来場者2000万人見込む 審査で「地域住民との対話の場を設ける必要性」指摘」