夢洲を候補地として、カジノを含む統合型リゾートの誘致計画を進めている大阪府・市。事業者には「日本MGMリゾーツ」と、「オリックス」を中心として設立した「大阪IR株式会社」を指定して、さまざまな調整を行っています。
「それ以外のところの審査はだいぶ進んでいる」
その大阪では、松井一郎・大阪市長が誘致の審査状況について、候補地の地盤について必要な書類の提出を国に求められていると取材に答え波紋を呼んでいます。
これは、記者団の取材に答えた松井市長のコメントとして、毎日新聞や地元テレビなどが報じているものです。松井市長は、候補地の夢洲について土壌汚染や液状化現象などが指摘されていることをあげ、解決の対応策や実行する時期などを国に求められていると説明しています。
また、「根拠のある数字を出してきちんと説明したい」とコメントし、「それ以外のところの審査はだいぶ進んでいますので、課題が残っているのは地盤の部分だけととらえています」と発言しています。
大阪では、2022年4月に、国に対して区域整備計画の認定を申請しています。現在は、有識者委員会の審査が行われ、秋までには審査の結果が出ると言われていました。
夢洲の土壌対策費についても問題が
候補地となっている夢洲は、これまで基準値を越えるヒ素が含まれている可能性が高いと言われてきました。また、埋立地という特性から地盤沈下の恐れも指摘されています。
さらに、土壌対策費の約790億円を大阪市が負担するとして、反対の声も上がっていました。
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夢洲は、ゴミの焼却灰やしゅんせつ土砂の処分地としてこれまでは活用されてきました。1980年代頃から埋め立て化が進んでいて、現在は湾岸施設や太陽光発電所の設置場所として有効利用されています。
さらに、2025年の「日本国際博覧会(大阪・関西万博)」の候補地となっていることもあり、大きな課題となってきそうです。
大阪では現在、「ギャンブル依存症対策条例」が可決されるなど、着々とカジノを含む統合型リゾートの誘致計画が進んでいます。
今回の夢洲の問題はどう解決してくのか、注目が集まります。