大阪府・市が、事業者に「日本MGMリゾーツ」と、「オリックス」を中心として設立した「大阪IR株式会社」を指定して、夢洲を候補地に準備を進めているカジノを含む統合型リゾートの誘致計画。
2029年の秋から冬ごろの開業を目標として、さまざまな調整を行っています。
夢洲の土壌対策費として大阪市が約790億円を負担
今回、カジノを含む統合型リゾートの誘致計画について、夢洲の土壌汚染対策費を大阪市が負担するのは違法だとして市民が訴えを起こしました。
候補地である夢洲については、基準値を越えるヒ素が含まれている可能性が高く、さらに埋立地ということもあり地盤沈下などの恐れも指摘されています。この土壌対策費として、大阪市が約790億円を負担すると公表しています。
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大阪府・市のカジノを含むIR候補地の夢洲で土壌対策に約790億円
この問題に対して、市民5人が土壌対策費を公費で負担するのは、売却先となるIR事業者を優遇するとして憲法違反に当たると訴えています。
大阪市に、IR事業者との「定期借地契約の差し止め」を求めて訴えを起こすことになりました。
「負の遺産を残すことになる」
この夢洲の土壌対策費に関して、2021年12月に大阪市の松井一郎市長が市の所有なので安全な土地にするのは当然のことだと主張しています。
今回訴えを起こした市民は、今後も対策費用を市が無制限に負担することになると指摘し、「大阪市の未来に対して大きな負の遺産を残すことになるのではないか」と強く批判しています。
夢洲は、これまでゴミの焼却灰やしゅんせつ土砂の処分地として活用してきました。1980年代頃から埋め立てが進み、現在は湾岸施設や太陽光発電所が使用しています。
2025年の大阪・関西万博も夢洲で開催される予定となっているだけに、今後はカジノを含む統合型リゾートの誘致計画だけではない問題となりそうです。