シンガポールの「マリーナベイサンズ」が大量の求人を開始

「バーチャルキャリアフェア」を開催

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シンガポールにあるカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の『マリーナベイサンズ』が、採用予定数1000人以上の求人をオンライン上で展開し、業界内で注目を集めています。

これは同リゾートが「バーチャルキャリアフェア」と銘打ち、2021年12月6日から12月8日にかけて開催しているものです。現在、必要としているカジノ運営・法人業務・飲食サービス・ホテル運営・モール管理・美術館のスタッフ管理・施設管理業務・セキュリティ業務などの職種について募集をしています。エントリーを希望する人は、同リゾート側の担当者とのオンラインチャットを経た後で、いずれかの職種に応募するチャンスが得られるというシステムであるそうです。

この「バーチャルキャリアフェア」について、同社の人材担当上席副社長のChan Yit Foon氏は、新型コロナウイルスが拡大したことで、結果として同社に「雇用と、求人方法の新しい形をもたらした」と説明。今回のイベントについても、「とても良いキッカケとなった」と述べています。

『マリーナベイサンズ』は、現在3630億円と言われる拡張工事を行っていて、すべての工事が完了する期限は2027年頃に設定をしています。工事は、新型コロナウイルスの影響などで大幅に遅れ、現時点では未確定となっているようです。この拡張プロジェクトでは、プールやレストランを含む4つ目のホテルタワーや、MICE施設、ライブアリーナの開発などを予定しています。

シンガポールでは、カジノ施設での売上が2022年には回復していく見込みだと言われています。世界的に有名な信用格付け会社のフィッチ・レーティングスによれば、新型コロナウイルスが流行する前の2019年に対して、約75%にあたる約25億2000万ドルに達するようです。完全回復とまではいきませんが、今年の総収益が16.8億ドル程度になると言われているだけに、大幅な改善になることになります。

【参照】シンガポール、マレーシアのカジノ収益が2022年には完全復調へ

今回、『マリーナベイサンズ』で大規模な求人をしていることも、景気回復を睨んでのものだと思われます。シンガポールの象徴的な施設なだけに、来年はどんな収益となるのかが注目されます。