シンガポール、マレーシアのカジノ収益が2022年には完全復調へ

行動制限の緩和、高いワクチン接種率が好作用となる

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世界的に有名な信用格付け会社であるフィッチ・レーティングスは、シンガポールにおける2022年のカジノ総収益が大幅に回復し、新型コロナウイルス流行前の2019年の約75%にあたる、約25億2000万ドルに達する見込みであることを発表しました。

フィッチ・レーティングスニューヨーク本社が2021年11月23日に発表したところによると、シンガポールにおけるカジノ事業の今年の総収益は、コロナ禍前の約33.6億のおよそ半分となる16.8億ドル程度になると予測しています。

そうした上で同社は、2022年には売上が回復し25億2000万ドル程度の総収益になると予測しました。現在シンガポールでは、ゲンティン・グループによる『リゾート・ワールド・セントーサ』や、ラスベガス・サンズが手がけ、ラスベガススタイルのギャンブルが許可された唯一の施設『マリーナベイサンズ』などのカジノ施設が運営されています。

また、こうした復調の兆しが見えたシンガポールと同様に、隣国であるマレーシアのカジノ業界でも2022年に大幅な回復が予測され、2019年に記録した23億8000万ドルの約65%になる見通しだといいます。

これら両国でカジノ収益が大幅に回復している要因として、フィッチ・レーティングスは、ワクチン接種が進んだことで感染者が減り、行動制限が徐々に緩和されるなど、「ウィズコロナ」の生活スタイルへと各国が移行したことが大きいとしています。

また、マレーシアでは国民の76.6%がコロナワクチンの接種を完了していることを受け、陰性証明さえあれば、シンガポールからの観光客を許可したことも大きく影響しているとしています。

現在は世界的にオミクロン株の感染拡大が問題視され、各国で対応策が行われています。シンガポール、マレーシアのカジノ施設では、徹底したウイルス対策が行われていることから大きく売上が下がる懸念はいまのところ無いようです。 しかし、今後も新型のウイルスが発生した場合は、各国ともに観光客の受け入れを停止する可能性もありますので、引き続き予断を許さない状況は続いていきそうです。