フィリピンの国営ギャンブル規制機関となる「PAGCOR」は、コロナ禍によって深刻な打撃を受けた同国のカジノ産業の収益が、2026年までにコロナ禍前の水準かそれ以上のものとなる見通しであることを発表しました。
2026年までにギャンブル総収入が約6169億円以上
これは、同機関のカジノライセンス部門でチーフをつとめるダニエル・セシリオ氏がロイター通信によるインタビューに応じる形で答えたものです。
同氏は「現状として、プレイヤーの熱や信頼を元通りにするのは難しいが、ロックダウンは間違いなく無くなるだろう」と、現時点での収益や業界の動向を踏まえる形でコメント。
その上で、2026年までにギャンブル総収入が2560億フィリピン・ペソ(約6169億円)以上に達し、通常の実店舗カジノの収益だけでも1460億フィリピン・ペソ(約3518億円)となる可能性があるという見通しを語りました。
また、セシリオ氏は、2022年7月26日から開催されたゲーミングサミットに出席した際のスピーチでも、実店舗のカジノ収益は好調となる見込みだと公表。その際に、今後同国におけるカジノ産業の復興は、「国内外を問わず多くのギャンブラーたちの消費意欲が強化され、需要が高まることでもたらされるだろう」という見解を語りました。
2022年は3ヶ月間で約788億円
なお、フィリピンのカジノ産業全体としては、2022年1月から2022年3月31日までのおよそ3ヶ月の間に、327億5000万フィリピン・ペソ(約788億円)のGGRを生み出しています。
前四半期との比較においても14.8%増、前年同期比でも27.2%増となるなど、コロナ禍にあってなかなかの健闘ぶりを見せています。
そうしたことから、PAGCORの会長をつとめるアンドレア・ドミンゴ氏も、2022年4月の会見で、「今年は悪い幕開けとなったものの、その後は堅調。総収入自体は倍増するだろう」と、明るい見通しを語っていました。
マカオがいまでも新型コロナウイルスの影響を受ける中、フィリピンはコロナ禍からの立ち直りを見せはじめている形となりました。