『メルコリゾーツ&エンターテインメント』は、『ローレンス・ホー』と、アメリカのウィン・リゾーツを設立した『スティーブ・ウィン』の両名が共同会長兼CEOを務めているカジノリゾート運営会社です。
『ローレンス・ホー』は、マカオのカジノで大成功を収めた『SJMホールディングス』創業者の『スタンレー・ホー』の子息として有名な人物です。 『メルコリゾーツ&エンターテインメント』は、2004年に香港で設立され、現在も本社が置かれています。2006年12月にナスダックに上場し、11億ドル以上の資金を集めたと言われています。この金額は2006年におけるアメリカで4番目に大規模な新規株式公開を実現させたと伝えられました。
アジアでのIR開発に注力
現在、マカオをはじめとするアジアにおけるカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の開発を展開しています。拠点であるマカオには、『スタジオ・シティ』『シティ・オブ・ドリームス』『アルティラ・マカオ』などを展開。その他、マニラなどアジア圏でのカジノを含むIR運営にたずさわっているほか、2017年までにキプロス共和国でのカジノを含むIRの権利を獲得し、現在、『シティ・オブ・ドリームス・メディテレーニアン』の建設を進めています。
日本のIR誘致についても早くから興味を示し、とくに横浜に着目して活動を進めてきました。2017年11月に、『日本法人メルコリゾーツ&エンターテインメント』を設立し、進出の意欲を示しました。
著名人とコラボ展開も得意
同社の特徴のひとつが、企業や団体、地域社会、著名人などとコラボレーションを活発に推進しているという点です。2018年には『シティ・オブ・ドリームス』にイラク出身の有名な建築家、故・ザハ・ハディト氏の手になる高層タワー『モーフィアス』を建設し、世界最高峰のホテルとして話題になりました。
同年、日本のゲーム開発企業バンダイナムコと提携して、VR技術を駆使した施設「ザ・ガレージ」を『シティ・オブ・ドリームス・マニラ』にオープンさせました。
また、プロテニスプレイヤーである大坂なおみ氏をブランド・アンバサダー兼スポーツ・グループ・ディレクターに迎えるなど、IR開発のための活動に積極的に取り組んでいるようです。
日本における地域との連携についても、2019年に横浜元町や伊勢佐木町のイベントに参加しています。そして2021年3月には、Jリーグの横浜F・マリノスと「より一層の賑わいを取り戻すことを目標」として、 横浜市をはじめ近隣の横須賀市、大和市の地元商店街を応援するプロジェクト『Stay Strong Together ホームタウンの商店街を応援しよう!』を開催しました。これは、地域にある多くの商店街の中から5つを厳選し、横浜F・マリノスの選手が参加商店街について紹介する応援ビデオ制作および日産スタジアム大型ビジョンの放映や、販促グッズや観戦チケットなどの提供といった内容でした。
その後、2021年 9月、同社は横浜からの撤退を表明しています。しかし、「10年以上にわたり日本の地で活動して。日本の長期的な可能性を確信しており、日本での世界最高のIR開発に今後も尽力する」と報じられました。『メルコリゾーツ&エンターテインメント』は、日本に対する進出の意思はまだ強く保たれているようです。 マカオを中心として、アジアでのカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の開発を進めている「メルコリゾーツ&エンターテインメント」。日本での開発にも、ぜひ再挑戦してもらいたいところです。