2021年9月15日の香港市場で、マカオのカジノ関連の株価が軒並み急落をしました。これは、マカオ政府が『カジノ経営法律制度』の改正草案を公表したことを受けて、カジノ関連企業への規制が強化される可能性が高く、それを警戒して投資家が株を売ったと思われます。
これに伴い、金融大手のJPモルガンはマカオのカジノ関連銘柄の投資判断を引き下げました。この改正草案に具体的なスケジュールが書いていないことを指摘して、いつ規制の強化や責任追及の強化などが行われるかわからないとして警戒をしています。これまでマカオのカジノ関連銘柄は投資判断が「オーバーウエート」ばかりでしたが、「アンダーウエート」か「中立」に軒並み引き下げています。この動きも投資家の投げ売りを引き起こした原因となっています。年内は先行きが不透明とされて、今後も投資判断がすぐに改善されることは難しそうです。
マカオの主要なカジノ関連銘柄は、以下となります。
- サンズ・チャイナ
- ウィン・マカオ
- メルコ・インターナショナル
- 銀河娯楽
- 澳門博彩控股
- MGMチャイナ
『サンズ・チャイナ』は2021年9月15日の取引では一時21%の下落、『ウィン・マカオ』は34%も下落するなど記録的な下げ幅となっています。規制が強化されれば売り上げが落ちることは明白なので、どこまで当局が動くのかが争点となりそうです。
当局の担当者は、意見公募の期間を設定していて2021年9月15日から45日間としています。
その意見公募の中には、政府による監督レベルをどこまでにするか、許可される営業権の数や管理体制などが含まれています。各企業にとっては今後の営業を行う中でかなり重要な指標が出されることになりそうです。