大阪のカジノを含むIR誘致で、土壌対策費用を市が負担するのは違法と市民が訴え

事業者が撤退するリスクをきちんと評価していないと主張

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大阪のカジノ誘致について、元市議を含める市民5人が事業者との定期借地契約の締結差し止めを求めています。詳細をお伝えします。

カジノを含む統合型リゾートの誘致計画について、すでに国に対して「区域整備計画」の申請を正式に行っている大阪で元市議らが住民監査請求を行ったことがわかりました。

定期借地契約の締結差し止めを求める

これは、カジノの建設予定地となっている「夢洲」について、土壌対策費用などで約790億円を大阪市が負担することなどが違法だと主張しているものです。元市議を含める市民5人が、定期借地契約の締結差し止めを求めています。 この問題は、今回の対策費用などに関して、市が「土地の賃料収入で採算が取れる」としている主張は、事業者が撤退した場合などのリスクをきちんと評価して算出していないと主張しています。

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今回、事業者は『日本MGMリゾーツ』と、『オリックス』を中心として設立した『大阪IR株式会社』となっています。この事業者との基本協定の中で、追加の対策費が生じても大阪市が負担しなければいけない内容で、過大な支出を制限する「地方財政法」に違反していると指摘しています。

もともと、「夢洲」の土壌対策費用については住民説明会などでも反対意見が出て、一部の議員からも批判を受けていました。この問題について大阪府の吉村洋文知事は「議会は住民の代表で議会審議も経て申請している。住民の意見を無視して進めていない」とコメントしています。 また、今回の請求に対して松井一郎市長は「監査請求される自由もあるわけです。あとは司法で判断されると思います」とコメントしています。

埋立地として問題が続出する

この土壌問題は、夢洲地区が大阪市内などからのゴミ焼却灰やしゅんせつ土砂の処分地として利用されていることが問題となっています。1980年代頃から埋め立てが進んできました。

現在は主に湾岸施設として利用している土地となっていますが、基準値を越えるヒ素が含まれている可能性が高いことがわかりました。

また地震の多い日本の立地を考えると液状化する恐れもあり、大幅な改良が必要だと判断されています。

はたして、住民らが求めている締結差し止めは実現するのか?注目していきます。