マカオのカジノ関連の売上が前月より回復して約953億円に

低迷した2021年10月より約54.6%増

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世界最大規模の「カジノ大国」であるマカオ。毎月公開されている月次カジノ売上は、今後の指標となるため世界中から注目を集めています。

そんな中、2021年12月1日にマカオのカジノを監理する『マカオ政府博彩監察協調局(DICJ)』が最新のデータを発表し、2021年11月におけるマカオの月次カジノ売上が約953億円になったことがわかりました。

この売上は、前年同月から比較すると0.01%増加したことになり、前月からは約54.6%増となっています。

マカオでは現在でも入境制限など新型コロナウイルスに関する水際措置が行われていますが、今年に入ってからは前年よりも売上は回復しています。しかし、中国本土では2021年7月下旬ごろから新型コロナウイルスが再流行して、2021年8月から10月にかけてマカオ区域でも市中感染者が確認されました。その影響もあり、前月の2021年10月は年初来最低の売上になっていました。

また、ここまでの2021年の累計のカジノ売上は、約1兆1139億円となり前年よりは約50%近い増加となっています。

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現在でもマカオ政府博彩監察協調局は、カジノ運営会社に対してチップやスロットマシンに対する徹底した消毒を義務付けています。また、プレイヤーの距離を確保することや、来場するゲストに対してのマスクの着用や衛生当局の専用サイトで生成する健康コードの提示も義務付けられています。

さらに、マカオのカジノ業界ではジャケット仲介業大手の「サンシティ・グループ」の創業者でCEOの周焯華が、2021年11月27日にマカオ司法警察局によって身柄を拘束されたばかりです。株価の急落などさまざまな混乱を起こして、現在では同社がマカオで運営している複数のカジノ施設のVIPルームを閉鎖しています。マカオのカジノにおける売上でVIPルームが占める割合は約5割と言われているだけに、2021年12月の月次カジノ売上は厳しい数字になることが予想されます。

また、オミクロン株の世界的な流行の恐れから先行き不透明な状況となっているだけに、今後マカオのカジノにおける売上が回復するのか、さらに注目が集まります。

【2021年のマカオにおけるカジノ売上】

  • 1月=約1136億円(63.7%減)
  • 2月=約1035億円(135.6%増)
  • 3月=約1176億円(58.0%増)
  • 4月=約1189億円(1014.4%増)
  • 5月=約1478億円(492.2%増)
  • 6月=約925億円(812.5%増)
  • 7月=約1195億円(528.1%増)
  • 8月=約629億円(234.0%増)
  • 9月=約832億円(165.9%増)
  • 10月=約618億円(40.0%減)
  • 11月=約953億円(0.01%増)

(統計データはマカオ政府博彩監察協調局より、カッコ内は前年比)

【参考】マカオ政府博彩監察協調局(DICJ)