世界的なカジノ運営会社「クラウンリゾーツ」の買収問題で進展

「ブラックストーングループ」が買収金額を引き上げ

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オーストラリアの有名なカジノ運営会社である『クラウンリゾーツ』に対して、アメリカの投資会社『ブラックストーングループ』が仕掛けている買収提案について進展がありました。

この買収は、『クラウンリゾーツ』が運営をしているメルボルンとパースのカジノについて、2019年にマネーロンダリングの疑いがあると言われたことが原因となっています。『クラウンリゾーツ』は、他にもメルボルンやシドニーでカジノを含む統合型リゾート施設(IR)を運営しています。特に目玉の施設となる『クラウンシドニー』を開設したばかりの中で問題が噴出したことで、危機的な状況となっています。オーストラリアの監督当局は、『クラウンリゾーツ』などに関して、カジノ運営免許保有は「不適切」としています。

そこに目をつけた『ブラックストーングループ』が買収を仕掛けています。過去2回に渡って提案をしていますが、買収金額が低すぎると『クラウンリゾーツ』が拒否していました。そこで、『ブラックストーングループ』が買収金額を約7100億円に引き上げる提案を行ったとの報道がありました。

『クラウンリゾーツ』は、未払いの税金やマネーロンダリングなど一連の問題を解決する必要に迫られています。メルボルンなどでカジノの営業を続けるためには、当局に要請されている2年以内の是正が必要となっています。

この問題を受けて同業で競合となる『スターエンターテインメント』が、約7400億円という巨額の買収を提案していましたが、さまざまな問題が噴出したことで2021年7月に取り下げています。

『ブラックストーングループ』は、1株当たりの価格を12.35豪ドルで提案をしていましたが金額が低すぎると拒否されていました。今回は、クラウンの株主に対して1株当たり現金12.50豪ドルで提案をするようです。

『クラウンリゾーツ』は2021年11月19日の発表文で、まだ見解を決めていなく、今後その価値や条件を評価して検討するとしています。

オーストラリアを舞台とした、カジノに関する大型の買収騒動はどう決着がつくのか?今後の展開に世界中の注目が集まっています。