和歌山のカジノ誘致に関する「住民投票条例案」は自民、公明などが反対で否決

約2万人の署名を集めるが住民投票を行われず

公開日:

scroll

和歌山県・市が、IRの投資を得意としているカナダの『クレアベストニームベンチャーズ』と、カジノ施設を運営する『シーザーズ・エンターテインメント』を事業者として進めている、カジノを含むIRに関する誘致計画。

現在は、2022年4月が期日となる国への申請を進めるために、人工島の「マリーナシティ」を候補地としてさまざまな調整を進めているところです。

そんな中で、地元住民との調整で大きな問題となっていたのが市民団体から請求をされていた、カジノ誘致に関する「是非を問う住民投票」の条例案についてです。

請求を行う際に、和歌山市で署名活動も行われ、2万人以上が条例案に賛成をしました。

【関連記事】和歌山県のカジノを含むIRに関して市民団体が「是非を問う住民投票」を請求へ

この条例案は尾花正啓市長が2022年1月24日に市議会へ提出しました。その際に、住民投票を行うには、約8500万円の経費がかかるとして反対意見を付けていました。

【関連記事】自民党市議団が大阪のカジノ誘致に関して「賛否を問う住民投票」を提出へ

翌日の、2022年1月25日には市議会の総務委員会で審議が行われて、賛成2、反対7となり否決されました。

その上で、2022年1月27日には、最終的に住民投票を行うのかを決める議論が市議会で開かれました。

共産党の議員は、「市民が直接意志を表明したいのは自然なこと」として、条例案に賛成しました。しかし、自民党と公明党の議員は、仁坂吉伸知事がIRの誘致を訴えて選挙を戦い当選していることを引き合いに出して、十分に民意は得られているので住民投票をする必要はないと反対をしました。結果として反対多数となり、今回の「是非を問う住民投票」は行われないことになりました。

過去には横浜でも「是非を問う住民投票」が提案されましたが否決されています。

現在は、大阪府・市で自民党市議団から、「賛否を問う住民投票」の条例を2月議会に提出する予定となっています。これは、大阪のカジノを含むIR誘致に関して、予定地の夢洲の土壌対策などの費用が追加されたことに関して問題視する声が住民から上がっているからです。

【関連記事】自民党市議団が大阪のカジノ誘致に関して「賛否を問う住民投票」を提出へ

各地で本格化し始めた、カジノを含むIRの誘致合戦。地元住民からの理解を得ながら進めていかなければならないだけに、慎重な調整が必要になります。 特に、候補地の本命と言われる大阪で、「賛否を問う住民投票」が行われることになるのか?注目です。

※【写真】和歌山県提供 カジノを含む統合型リゾート(IR)のイメージ