和歌山のカジノに関する「是非を問う住民投票」が市議会委員会では否決

市議は「何を住民に問うのか理解に苦しむ」とコメント

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和歌山県・市が候補地を『和歌山マリーナシティ』に計画しているカジノを含むIRの誘致。事業者には、カナダのトロントに本社を置いているIRに関する投資を得意とする『クレアベストニームベンチャーズ』と、カジノ施設を運営する大手の『シーザーズ・エンターテインメント』が決定し、誘致を成功させるためにさまざまな調整が行われています。

そんな中で問題となっているのが、市民団体から請求が出ている、カジノ誘致に関する「是非を問う住民投票」の条例案についてです。 住民の意見を反映しないで誘致計画を進めているとして、「カジノ誘致の是非を問う和歌山市民の会」から住民投票を求められています。

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この条例案に関しては、和歌山市で地元住民の署名活動も行われています。住民の関心は高く、想定を3倍以上も上回る2万人からの署名が集まっています。

この請求を受けて、和歌山市の尾花正啓市長が2022年1月24日に、カジノを含むIRの誘致に対して「是非を問う住民投票」の条例案を市議会に提出しました。市長は提出する際に、「住民投票をするためには経費がかかる」という理由から、反対意見をつけています。この経費は約8500万円と公表されています。

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2022年1月25日には、市議会の総務委員会でこの条例案について審議が行われて、賛成2、反対7となり否決されることになりました。

今回の審議で、市民の会メンバー6人が意見陳述を行い、「IRに反対でも賛成でもないんです。市民はどう考えているのか、市民の意見を聞いていただきたい」などの訴えを行いました。

審議を担当する市議からは、市のカジノを含むIRに関する担当者に対して、「事業者が撤退する場合の対応はどうなっているのか?」といった質問があり、担当者は「撤退をするというケースは想定していない」と答えました。

また、今回の審議で反対をした市議は、「県の整備計画も示されていない状況で、何を住民に問うのか理解に苦しむ」と発言をしています。

この条例案は、この日の結果を踏まえながら、2022年1月27日の本会議で採決される予定となっています。 本格化してきたカジノを含むIRの誘致計画。はたして、住民投票は行われることになるのか?注目です。