カジノ運営大手「クラウンリゾーツ」が「ブラックストーン」からの買収案を支持

約7320億円という巨額の買収案件に

公開日:

scroll

オーストラリアにあるカジノ運営大手『クラウンリゾーツ』が、2022年2月14日にアメリカの投資会社『ブラックストーン』から提案されていた買収案を受け入れる方向で調整をしていると発表しました。

買収額は約89億豪ドルで、日本円では約7320億円となります。

『クラウンリゾーツ』は、運営しているカジノを含むIRでマネーロンダリングの疑いがあるとして、オーストラリアの監督当局がカジノ運営免許保有は不適切としていました。 さらに、2021年12月23日には、ジャンケット業務に関する規制に違反したとしてビクトリア州規制当局が『クラウンリゾーツ』に対して100万豪ドルの罰金を科したと発表しました。

【関連記事】オーストラリアのカジノ大手「クラウンリゾーツ」に罰金

窮地に陥っていた『クラウンリゾーツ』に対しては、これまで同業となる『スター・エンターテインメント・グループ』や投資会社などが買収に関して興味を示していましたが、交渉はうまく進みませんでした。

そんな中で、『ブラックストーン』は根強く交渉を続けていました。当初は、買収額が低いと『クラウンリゾーツ』が拒否をしているという報道もありましたが、買収案は受け入れられることになりました。

買収額はクラウン株の前営業日付の終値を5.7%上回る水準となっています。これは、2021年3月に『ブラックストーン』が提示していた額よりも約10.5%上回ることになります。

今回の買収額に対して、スティーブ・マッキャン最高経営責任者は公正な価格だと現地のメディアに向けて公表しています。

現在『クラウンリゾーツ』は、収益の柱となる予定だったシドニーのカジノを含むIRの営業免許が停止された状態となっています。買収が成功すれば、きちんと経営を整えられる可能性が高いと言われています。

『ブラックストーン』が買収を成功させるには、豪外国投資審査委員会の審査と、『クラウンリゾーツ』が運営をしている各州のカジノ規制当局の承認が必要となります。 各国でカジノ施設の売上が回復してきている中で、『クラウンリゾーツ』の買収は成功するのか?注目をしていきます。