大阪のカジノ誘致予定先となる「夢洲」で鉄道の開発が活発化

近鉄沿線から直通で夢洲まで電車を走らせるために試験

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近畿日本鉄道が夢洲へつながる路線の開発について、「可動式第三軌条用集電装置」の試作品が完成し各種試験に着手すると発表しました。詳細をお伝えします。

カジノを含む統合型リゾートの誘致計画を推進している大阪府。事業者には、『日本MGMリゾーツ』と、『オリックス』を中心として設立した『大阪IR株式会社』を予定して、国からの審査を待つ状態となっています。

近鉄沿線から直通で夢洲まで電車を走らせる

その大阪では、カジノを含む統合型リゾートが開業できるようになった際に候補地としてあげられているのが「夢洲」です。

埋立地となっている夢洲ですが、関西万博の予定地にもなっていて再開発が進んでいます。その中で、近畿日本鉄道が夢洲へつながる路線の開発について、「可動式第三軌条用集電装置」の試作品が完成し各種試験に着手すると発表しました。

これは、線路横のレールから集電する「第三軌条方式」を採用するもので、その区間では走行に支障が出る「集電靴」を折り畳んで収納する機能となります。

このシステムで正常に運行ができるようになれば、近鉄沿線から直通で夢洲まで電車を走らせることができます。

これまで課題となっていたのは、列車が電線などから電気の供給を受ける「集電装置」です。奈良と大阪を結ぶ近鉄奈良線は集電方式が異なり、このままでは夢洲への直通が難しい状況にありました。 現在「夢洲駅」は、コスモスクエア駅から、大阪メトロ中央線を延伸させる計画が進められています。今回の試験が成功すれば、近畿圏のより多くの地域から夢洲へ気軽に遊びに行けることになります。

土壌対策費用などで約790億円を大阪市が負担

夢洲に関しては、カジノを含む統合型リゾートの誘致計画の中で、土壌対策費用などで約790億円を大阪市が負担する必要があると発表されています。 住民などからこの対策費を大阪市が負担することはおかしいという声も聞こえてきています。

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大阪ではカジノを含む統合型リゾートについて、2029年の秋から冬ごろの開業を目指していますが、一足先に2025年の関西万博を控えています。どのみち、夢洲への移動手段は早急に整える必要がある状況になっています。

大阪の、今後の経済政策で大きな役目を果たすことになる夢洲。鉄道を含めた再開発に、今後も注目していきます。