夢洲を候補地として、カジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致計画を進めている大阪市。事業者は、「日本MGMリゾーツ」と「オリックス」を中心に設立した「大阪IR株式会社」を予定し、国との認可を巡った調整を行っています。
2023年4月6日に任期満了で市長を退任
そんな大阪市で、長くカジノ誘致を推進してきた松井一郎・市長(日本維新の会顧問)が、2023年4月6日に任期満了で市長を退任しました。これまで、大阪市を引っ張り続けてきた松井氏は、同日で維新の党籍を抜くことになり、さらに2023年4月8日には「維新の会顧問」の役職も辞職すると言われています。
松井氏は2003年の大阪府議選で初当選してから、橋下徹氏とともに地域政党・「大阪維新の会」を設立するなど活躍してきました。政治家として剛腕を見せ続け、2025年に開催予定の「万博」に関する誘致や、カジノを含む統合型リゾートの誘致を推進してきました。
松井氏は市役所で記者団に対して、「何の後悔もない」と語っています。現在大阪では、「大阪市長選挙」と「大阪府知事選」のダブル選が行われています。
松井氏が勇退する大阪市長選に立候補したのは、「大阪維新の会」幹事長で元府議・横山英幸氏、元市議・北野妙子氏、飲食店経営・荒巻靖彦氏、「ユーチューバー」ネペンサ(安達真)氏、理学療法士・山崎敏彦氏となっています。
カジノを含む統合型リゾートの誘致は、選挙の大きな争点となっています。
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大阪市長選挙に5氏が立候補、カジノを含むIRの誘致も争点に
大阪市では、「大阪市長選挙」が行われます。新人として5氏が立候補し、カジノを含む統合型リゾートの誘致計画が争点となります。
現在、候補地の夢洲に関しては、土壌汚染処理の問題や賃料が不当に安く設定されていると訴訟が起きるなど、さまざまな問題定義が行われています。
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大阪のカジノを含むIR誘致、夢洲の賃料に「定期借地契約の締結差し止め」を求める訴訟
大阪府・市が進めるカジノを含む統合型リゾートの誘致計画について、大阪市民が候補地・夢洲の賃料について「定期借地契約の締結差し止め」を求める訴訟を大阪地裁に起こしました。
現状では、国からの「IR整備計画」に関する認定の判断は、統一地方選後に結果が報告されると言われています。推進派だった松井氏が政界を引退することで、流れは変わってしまうのか?注目です。
記者の一言メモ
大阪のカジノを含む統合型リゾートの誘致計画について、中心的人物だった松井氏の政界引退は大きな波紋を呼びそうです。