タイ政府は、かねてより同国の地方政党が中心となって推進していた国内におけるカジノを含むIR開発の候補地として、ターク県のメーソート地区に白羽の矢を立てていることが、地元メディアなどの取材により明らかとなりました。
カジノリゾート招致委員会のメンバーが明らかに
これは、政府内にあるカジノリゾート招致委員会のメンバーらがメディアに示唆したもので、実際にその言葉をなぞるかのように同委員会のメンバーである元国会議員のテプタイ・センポン氏がメーソート地区を視察。
その後、ターク県知事や自治体局長、商工会議所会頭らとのヒアリングを経て、同エリアがカジノを含むIR開発の受け入れに能動的であることが、メディアに対して明かされることとなりました。
しかし、現時点においてはタイでのカジノを含むIR開発には、いくつかのクリアすべき課題があります。
まず、建設に必要な土地について国内では土地のほとんどを財務省と国が保有・管理しているため、他国で実績のある大手IR業者などが開発を担当すると、土地の取得そのものが極めて困難であると考えられます。
そのため、カジノを含むIRの建設に必要な土地を、開発業者がいかに取得するかが最初の関門となります。
また、政府などの支援で仮に土地が確保できたとしても、次なる課題が待ち受けています。それはIR施設の開発・運営に必要な労働力の確保です。
タイでは近隣諸国からの出稼ぎ労働者が数多く就労しているため、単純な労働力としては人手不足には陥る心配はありません。しかし、そうした人材の多くはカジノ業界の未経験者であり、彼らがすぐにカジノを含むIR事業の主力として最前線で活躍できるかといえば疑問があるからです。 まずは彼らをカジノ人材として育成する機関と、それに必要な時間的・資金的余裕が求められます。無論、こうしたシステムの構築と運用にあたり、政府からの適切な支援が必要であることは言うまでもありません。
国民の理解を得られるか?
そして、こうした問題をクリアしたとした後で、最大の難関ともいうべき課題が待ち受けています。
それは、国民の理解を得られるかという部分です。タイでは、賭博行為そのものをタブー視する層が少なくない国民性を持ち、ギャンブル好きの一部の人々を除き賭博産業・賭博行為について開発に反対する可能性があると推測されるからです。
なお、今の時点では「ラスベガス・サンズ」がタイのカジノを含むIR開発で先陣を切ると言われています。
日本人の観光客も多いタイで、どうやってカジノは作られていくのか?日本でもカジノの誘致計画が行われている中で、注目すべき国となりそうです。