マカオの2022年4月「月次カジノ売上」が前年同月から68.1%のマイナス

約429億円となり年初来最低の数値に

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2022年5月1日に最新のデータがマカオ政府博彩監察協調局(DICJ)から発表され、前年同月からは68.1%減だったことがわかりました。詳細をお伝えします。

世界的にカジノが盛んで有名なマカオで、毎月1日頃に発表される前月の「月次カジノ売上」。指標となることで、全世界のカジノ関係者が注目している数値となっています。

売上が悪かった前月からもマイナスに

2022年5月1日に最新のデータがマカオ政府博彩監察協調局(DICJ)から発表され、前年同月からは68.1%減となる26.77億パタカで、執筆時点の計算では約429億円だったことがわかりました。前月からも27.1%減となりました。

前年同月、前月ともに2ヶ月連続でのマイナスとなり、年初来最低の売上を更新することになりました。また、この売上は2020年9月以降で最低となり、マカオでは新型コロナウイルスによる売上悪化から抜け出せていない現状が明らかとなりました。

売上の多くを占める中国本土との往来は条件付きで隔離検疫免除され再開されていますが、中国各地で新型コロナウイルスが再流行。その影響もあり、再度マカオへの水際措置が強化されることになっています。

その結果、他国からのインバウンド旅行客も減り売上は低迷していきました。

アメリカなど全世界的にカジノ売上が回復傾向にある中で、マカオでは2022年1月から4月までの累計で前年同期から36.2%減の204.52億パタカ、日本円で約3279億円となりました。

VIP客が戻ってくるかがポイント

2021年末から、マカオではカジノ関係者の逮捕が相次ぐ異常事態を迎えました。これは、「サンシティ・グループ」や「タクチュングループ」など、ジャンケット業界を中心に摘発を受けたもので、過去にはマカオでの売上の多くを占めていたVIPルームを取り仕切っていました。

一般客よりも多額の資金を使うVIP客が今回の逮捕劇で離れてしまったことも、マカオの売上が戻らない原因にもなっています。

現在はカジノ運営会社が直接営業してVIP客を特別な施設へ移していると言われています。今後、こういった特別な客たちの売上がどこまで回復するかもポイントとなっていきます。

【2022年のマカオにおけるカジノ売上】

1月=約915億円

2月=約1106億円

3月=約556億円

4月=約429億円

【参考】マカオ政府博彩監察協調局(DICJ)