2022年11月に行われるテキサス州知事選でアメリカの民主党が擁立したベト・オルーク候補が、選挙に勝利し知事となった際にはギャンブルの合法化とスポーツベッティングの拡大を支援することを公表しています。
カジノやスポーツベッティングを合法化して税金や雇用を生み出す
これはオルーク候補が記者会見で表明したものです。同氏は、テキサス州の人々が他州まで足を伸ばす形でカジノやスポーツベッティングを楽しんでいるという実情を紹介。
さらに、こうした行為により他州へと流出している多くの税金などを、カジノやスポーツベッティングを合法化することでテキサス州に落とすことが可能になると指摘しています。
今回、同候補がこうした点を大々的に訴求した背景には、もともとテキサスでは州法でカジノ・ギャンブルの拡大を禁止しており、そうした中で財政難となっている現状があります。
今後、不足すると思われる歳費をまかない固定資産税を軽減し公共サービスの充実をはかる上では、新たなる財源としてカジノやスポーツベッティングは大変魅力的であるという点をあげています。
また、すでにカジノを合法化している他の州がそうであるように、実際に開設されるようになれば、地元住民の雇用創出をはじめ、地域社会に経済的な恩恵がもたらされることは実証されています。
カジノ事業者の多くが、収益の一部を学校や慈善団体に寄付したり、自社のスタッフを奉仕活動に提供したりと雇用以外での社会貢献にも意欲的であるという点もあります。オルーク候補の発言は、そうした点を考慮してのものであるといえそうです。
現職知事のアボット氏は反対意見
一方、現職知事で共和党系のアボット氏は、かねてよりギャンブル拡大論に対する強硬反対派として知られ、彼が属するテキサス共和党もギャンブル関連の収入源について全面的に放棄する方針となります。
アボット氏が再選されればこれまで通り「ギャンブル拡大禁止」路線となる見通しですが、逆にオルーク氏が当選すれば対極の政策をとる可能性が高まっています。
なお、同州におけるカジノやギャンブルについて、かねてより新市場の開拓に意欲を見せるカジノ事業者側の関心度は高く、各社とも地元議員への働きかけなど合法化に向けての政治活動を積極的に展開しています。
こういった動きや資金も、ベト・オルーク候補にはプラスに働いていきそうです。はたして、どちらの候補者が知事になるのか?注目です。