セガサミーHD決算は好調ながらカジノ来場者数が大幅減

カジノ施設は厳しい状況が続く

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日本企業の中ではカジノ関連の事業が多い『セガサミーホールディングス』が、2021年11月8日に2022年3月期の第2四半期の決算を公開しました。売上高は3050億円となり70億円下方修正しましたが、営業利益は230億円となり30億円上方修正する結果となりました。この中で、連結純利益が前期比で12倍となる150億円になりそうだと発表しています。

この好業績は新型コロナウイルスの影響で外出が減り、スマートフォン向けアプリゲームの収益が伸びたことが影響しているとのことです。

カジノやIRが関係する「リゾート事業」の売上高は38億32百万円(前年同期比70.6%増)、経常損失は39億55百万円(前年同期は経常損失46億62百万円)になったと発表しました。

九州の宮崎県にある『フェニックス・シーガイア・リゾート』では、新型コロナウイルスが徐々に落ち着きを見せ始めている中で施設利用者数が回復傾向にあるとのことです。ただ、新型コロナウイルスが影響する前の2019年4月~9月の6ヶ月間と比較すると72.0%ほどの利用者数となり、以前厳しい状況が続いています。

韓国にある「パラダイスシティ」

また、韓国の統合型リゾート施設として人気の高い『パラダイスシティ』は、新型コロナウイルスによる各国の渡航制限が影響して、「2021年1月~6月のドロップ額(テーブルにおけるチップ購入額)」は、前年同期比で40.3%という大幅な落ち込みとなりました。要因としては、日本、中国からのVIPの利用者が減少したからだと説明しています。カジノ来場者数も回復していなく、前年同期比で58.4%となるなど厳しい状況が続いています。

今後の見通しとしては、新型コロナウイルスによる渡航制限が継続されている中で、収益の回復にはまだ時間がかかると発表しました。しかし、事業者の候補として『セガサミーホールディングス』も関与をしていた横浜市のカジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致が撤回されたことで、IR向けの費用は減少すると発表しています。

【参考】セガサミーホールディングス株式会社

現在も新型コロナウイルスによる影響を受けているカジノ業界。しかし、世界的にもワクチン接種が進み渡航制限なども解除されている中で、徐々に業績を回復していくでしょう。今後も決算情報に注目していきます。