長崎県がカジノを含むIR計画素案公開、湯治や地元のお祭を楽しむ劇場も

他の候補地よりも具体的な計画案を発表へ

公開日:

scroll

長崎県は2021年12月10日にカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致について、区域整備計画の素案を発表しました。これは、事業者に選定されている「カジノオーストリアインターナショナルジャパン」(CAIJ)が作ったもので、長崎県の公式サイトでも見ることができます。

イメージ図とともに公開された素案では、日本ならではの湯治ができる温泉旅館や、九州のお祭りを楽しむことができる劇場施設などが盛り込まれています。「CAIJ」は医療との結びつきを強調していて、温泉旅館では先端医療が受けられるようにするなど新しい形の湯治を提案していくようです。

※画像は長崎県公式サイトより引用

以前に公開していたイメージ図からの変更点は、中央に置かれていたMICE施設がドーム型になり、さらにクリスタルタワーホテルは丸みを帯びたデザインになりました。全体的に柔らかい雰囲気となり、「CAIJ」が当初から女性が来やすいカジノを含むIRを作ると宣言していた通りの構想に合ったものになっています。

また、海外からの利用者を獲得するために、長崎空港からアクセスがしやすいように海上の交通手段が提案されています。これは、「CAIJ」が約147億円をかけてインフラ整備をするもので、早岐港まで約30分で到着する高速船なども予定しています。

また、候補地となっているハウステンボスでは、駅から施設へのロープウェイの導入も検討されているようです。

ギャンブル依存症の対策についても明記され、賭け金の設定や滞在時間の管理などを盛り込んでいます。カジノ施設は他のIR施設よりも敷地内で奥に位置するように作られる予定で、施設内には銀行ATMの設置をしないとのことです。

現在、長崎県は週刊誌の取材で資金調達が上手くいっていない現状をスクープされています。長崎県議会でもこの資金問題は追求され、「CAIJ」が中心となって懸命にスポンサー企業を探している状況のようです。

もともと観光施設としても機能しているハウステンボスを候補地としているだけに、スムーズに誘致計画が進んでいる印象の長崎県。あとは、巨額の資金調達をどうするか?が課題となってきそうです。

2022年4月に期限が決まっている国への認定申請に向けて、県は「CAIJ」と準備を着々と進めています。

【参照】長崎県特定複合観光施設(IR)