ディーラーはルーレットを超能力で操れる!?【名作で見るカジノ】

筒井康隆の「七瀬ふたたび」でカジノを読む

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小説やドラマ、映画でカジノを取り扱った作品を紹介するコラム。

第一回目は人気作家の筒井康隆さんの小説『七瀬ふたたび』です。

この作品は、超能力者をテーマにしていて他人の心を読むことができる女性『火田七瀬』がヒロインとして活躍します。

名作の『家族八景』からの続編となり、前作が人の心の裏側を垣間見るような心理劇だったのに比べ、『七瀬ふたたび』では超能力者としての生き辛さや、敵視する組織からの逃亡というサスペンス色の強い内容になっています。

ドラマや映画など映像化もされていて、とくに1989年にNHKで放映された女優の多岐川裕美さんが七瀬役を演じたテレビドラマは名作として高い評価を得ています。

さて、この名作ではカジノが重要なポイントとして登場することを、皆さんは御存知でしょうか?

物語には仕事を失った七瀬がマカオのカジノで生活費を稼ぐシーンがあります。

七瀬は超能力を使ってカジノで勝つのですが、この時のゲームはルーレットでした。ディーラーが「次の出目は○○にしよう」と考えている心を読んで、そこに賭けて見事に勝つという方法を取ったのです。

スパッと当たる描写は見ていて気持ちの良いものでした。

昔から、ルーレットはディーラーが訓練をすれば、思い通りのポケットに放り込むことができると言われています。運任せではなく、ディーラーとの駆け引きを楽しむゲームだと言われるのもそういった理由からです。

しかし諸説はあり、ディーラーがルーレットのポケットを狙えるのは都市伝説だという意見もあります。でも、あくまで小説の世界の『七瀬ふたたび』を見る際には、凄腕のディーラーがポケットを百発百中で狙えるという前提で楽しみましょう!