マカオで、またカジノ業界の大物が組織犯罪の疑いで逮捕

中国本土からの不正な資金流出を防ぐことが目的

公開日:

scroll

マカオの司法警察局が2022年1月30日に記者会見を開き、組織犯罪やマネーロンダリングなどの容疑でマカオ居住の男2人を逮捕したと発表しました。

この一件は、2021年11月26日に逮捕されたジャンケット業大手『サンシティ・グループ』の最高経営責任者『周焯華氏』らが関わった事件に関連していると言われています。

【関連記事】マカオのカジノ関連会社「サンシティ・グループ」がジャンケット業務を停止へ

周焯華氏に関する捜査を行っている中で、別の組織の関与を裏付ける証拠が見つかり今回の逮捕となったと発表されています。

逮捕された2人のうち一人は、周焯華氏と同じくマカオでジャンケット業務を行っている『タクチュングループ』のトップである、陳栄煉氏だと現地のメディアは報じています。

ジャンケットは、各国からマカオのカジノに訪れるVIP客をもてなすサービスで、特別なVIPルームなどで遊ぶこともでき人気となっていました。VIP客に合わせて宿泊先から食事、移動まで全てをコーディネートすることになります。カジノ施設からしても、莫大な賭け金を使ってくれるVIP客を連れてくるジャンケット業者は貴重な存在となっていました。

現在、サンシティ・グループは周焯華氏の逮捕によってVIPルームを2022年11月にクローズしています。マカオの司法警察局がジャンケット業者に目を光らせていることもあり、ほとんどのカジノ施設で関係性を見直す必要が出てきています。

今回逮捕されたと言われる陳栄煉氏が率いているタクチュングループも、VIPルームに関するサービスを停止していました。

また、陳栄煉氏はマカオのカジノを含むIRなどを運営する『マカオ・レジェンド』のCEOを辞任していたことが発表されました。陳栄煉氏はマカオ・レジェンドの株式を約3分の1保有していると言われ、株価は逮捕報道後に急落して最安値を更新してしまいました。

これによって、マカオでジャンケット業務を行っていた大手の代表が2人も逮捕されたことになりました。今回の摘発は、中国本土からの不正な資金流出を防ぐことが目的と言われています。今後は、マカオでジャンケット業務は事実上行えないことになりそうです。

マカオでは、今後は大衆向けのサービスを充実させて発展させていく必要が出てきています。世界一のカジノに関する売上を誇っているだけに、マカオのカジノ業界がどう変貌していき、日本で準備を進めているカジノを含むIRに関して影響があるのか?注目をしていきます。