マカオの政府観光局は2022年12月30日、2023年の訪問客を現在の1日あたり1万人から4倍となる4万人に引き上げることを目指し、様々な施策を検討していることが現地メディアの報道などで明かされました。
カジノの売上を取り戻すことができるのか?
これは、マカオ政府観光局のマリア・ヘレナ・デ・セナ・フェルナンデス局長がメディアに対して述べた談話として報じられたものです。
それらの報道によると、直近の訪問客はコロナ禍などの影響があり、1日平均1万人程度にまで落ち込んでいるとのことです。
新型コロナウイルスの感染者が急増した2022年12月20~12月27日の1週間では、1日あたり約8100人と、極めて低い水準にまで減少していたといいます。フェルナンデス局長は、およそ3年前に巻き起こったコロナ禍の流れの中で、むしろ全体として山を越えたという見方もあり、その状況が定着すれば、「我々が2023年の目標として定めた、1日あたり平均4万人程度にまで回復することができるだろう」という見解を示したそうです。
マカオでは現在、新型コロナウイルスに翻弄される形で、カジノの売上が激減し続けています。政府が観光客を集められれば、復活の足がかりになりそうです。
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2022年、マカオの「月次カジノ売上」は前年比で約5割減少に
マカオにおける「月次カジノ売上」が発表され、2022年12月は前年同月から56%減少した34.82億パタカ(約570億円)となりました。
日本や韓国などで各種プロモーション活動を展開
もともと、「1日4万人」という数値は、マカオの最高責任者であるホー・ヤッシン氏が、「今後の抱負」として言及していたものです。マカオ政府は、中国をはじめとする他の国や地域との往来について、コロナ規制の緩和を発表した時期でした。
その後も、マカオでは、中国本土以外からの入国者に対して行っていた検疫やスクリーニングなどを段階的に緩和しています。その一方で、入国後の健康管理についてはマカオ独自の基準で継続し、マカオ内の特定の場所へ行く際にはデジタル化されたヘルスコードの適用などを行っていました。
なお、マカオ政府観光局は、今回掲げた目標を実現すべく現在計画中だという日本や韓国をはじめとする海外市場での各種プロモーション活動などを積極的に行うそうです。
改めて海外の観光事業者との連携を再構築することで、観光客の増加を目論んでいるようです。観光客が増えれば、必然的に主要産業のカジノにおける売上も回復が期待されています。