和歌山県・市が候補地を人工島の「和歌山マリーナシティ」として進めているカジノを含むIRの誘致計画。事業者を、カナダの『クレアベストニームベンチャーズ』と、世界的にカジノ施設を運営する『シーザーズ・エンターテインメント』を指名して、「区域整備計画案」の調整を進めています。
そんな和歌山で、「区域整備計画案」に関して、市議会の臨時会本会議で賛成多数で可決され、県議会での同意を得るだけの状態となりました。
この決定に、推進派である和歌山市の尾花正啓市長は「強い責任を持って今後も実現に向けて取り組みたい」と発言しています。
2021年には資金調達法に関する説明が不十分と県議会で反対意見も
和歌山では2021年11月の県議会で、カジノ誘致に関して資金調達方法に関する説明が不十分だと指摘され、住民説明会などを延期していました。運営方法などに関しても県議会で厳しい意見が出たことで、県が事業者とともにさまざまな調整を行っていました。
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その後、住民説明会や公聴会を進めてきましたが、大阪・長崎と比べると出遅れている印象が強くなっています。特に和歌山に関しては、大本命と言われる大阪と立地的に近いだけに、どういった形で差別化を図るのかが課題となっています。
市議会では反対意見が出るも賛成多数に
今回、可決された市議会でも、森下佐知子議員からは「反対する市民が多く、計画案に対して市独自の説明会も行っていない」と反対を表明しています。しかし、尾花市長は「コロナ禍で落ち込んだ経済を回復させる」と経済効果をアピールして、誘致に向けて自信を見せました。
採決は36人の議員で行われ、賛成26人、反対10人の賛成多数で可決される結果となりました。
県では、仁坂吉伸知事が、国に対して申請する「区域整備計画」の提出期限に合わせるため、4月に臨時議会の開催を行うと表明しています。
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スケジュールの遅れはあったものの、なんとか申請には間に合いそうな和歌山県。課題となる、大阪カジノとの差別化をどう調整するのかが、今後の注目ポイントとなりそうです。