マカオのカジノ業界が株価急落や重要人物の身柄拘束で混乱

新型コロナウイルスのオミクロン株も迫る

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マカオのカジノ業界が大きな混乱に陥っています。2021年11月29日の香港株式市場でカジノ大手の『ウィン・マカオ』の株価が一時10%近く下落をしました。また、『サンズ・チャイナ』と『ギャラクシー・エンターテインメント・グループ』も大きく売られました。

これは、マカオにあるカジノ施設にVIP客などを案内するジャンケットの仲介業大手『サンシティ・グループ・ホールディングス』の最高経営責任者となる『周焯華』CEOが身柄を拘束されたことが影響しています。

周焯華は2021年11月26日に温州市公安局が逮捕状請求手続きを承認し、2021年11月27日に身柄を拘束されました。周焯華は、社会管理秩序を著しく妨げる越境賭博シンジケートを率いていたとされています。

マカオ政府は、『カジノゲーミング経営法』の改草案を公表していて、2021年9月15日にも香港市場でカジノ関連の株価が急落をしています。これは、マカオ政府が日々のカジノ業務の監視、運営免許の数などでルールの変更や規制の強化を進めるもので、今後のカジノ運営に大きな影響があると言われています。

この改正案に対して、影響を受けるジャンケット業界の代表者がマカオ政府と協議を行っていました。ただ、政府からキチンとした説明は受けられていない状況となっていました。

ジャンケットとは?

日本ではあまり馴染みのないジャンケットですが、この職業はカジノで大金を使うVIP客を対象にしたサービス業となります。VIP客に対して航空券からホテルの手配をはじめ、移動の手配や食事に関する案内など細かい要望に答える仕事です。

客がカジノで負けた際には、資金を貸し付ける業者もいるとのことです。このジャンケットは、マカオやフィリピンのカジノ施設で見かける特殊な職業となっています。

今回、周焯華の身柄が拘束されたことで、マカオ政府からカジノに関する規制が更に強化される可能性があるとして、株価が急落をしています。また、新型コロナウイルスのオミクロン株が発見されたことも大きな影を落としています。

徐々に売上も戻っているマカオのカジノですが、今回の重要人物の逮捕でジャンケットの業務を始め、どのような規制を政府が行っていくのか?注目が集まるところです。