オーストラリアのカジノ大手「クラウンリゾーツ」に対して、アメリカのプライベートエクイティ「ブラックストーン」が買収を提案している騒動。約89億豪ドル(約7320億円)と言われる巨額の買収劇が進展を見せています。
約1年にわたって買収合戦
すでに、クラウンリゾーツは、臨時株主総会を開き「ブラックストーン」からの買収提案をほぼ全会一致で承認していると報じられています。
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カジノ大手「クラウン」の株主が「ブラックストーン」の買収を承認
「クラウンリゾーツ」は、アメリカのプライベートエクイティ・大手「ブラックストーン」による買収にほぼ全会一致で承認したと現地メディアなどが報じています。詳細をお伝えします。
さらに、オーストラリア賭博規制当局は、「クラウンリゾーツ」がシドニーとメルボルンに保有するカジノについて、「ブラックストーン」による運営を許可しました。
今回の買収騒動は、「クラウンリゾーツ」がオーストラリアで運営しているカジノにおいて、マネーロンダリングなどの不正に関する疑惑が浮上していました。
これに対して、オーストラリアの監督当局がカジノ運営免許保有は不適切とする判断を下し、「クラウンリゾーツ」は経営難に陥ることになりました。
さらに2021年12月23日にジャンケット業務に関しても違反したとして、ビクトリア州規制当局が「クラウンリゾーツ」に罰金を課すことに。度重なるトラブルで、今後もオーストラリアでカジノ施設を運営することが困難だと言われていました。
そんな中で、「ブラックストーン」が買収を提案し、約1年にわたって買収合戦を繰り広げることになりました。
豪連邦裁判所が買収を承認
そして、2022年6月15日に豪連邦裁判所が、「ブラックストーン」による「クラウンリゾーツ」の買収を承認しました。
西オーストラリア、ニューサウスウェールズ、ビクトリアの規制当局が許可を出したことになり、これで買収は現実的なものになってきました。
窮地に陥っていた「クラウンリゾーツ」には、これまで同業の「スターエンターテインメントグループ」や、アメリカの投資会社「オークツリーキャピタルマネジメント」などが買収を提案していましたが、計画はうまくすすみませんでした。 「ブラックストーン」によって再建され生まれ変わることが予想される「クラウンリゾーツ」が管理するカジノ施設。今後の展開に注目していきます。