和歌山県・市がカジノを含むIRに関して資金調達方法などを公表

地元住民への公聴会なども開始の予定

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和歌山県・市が、カナダの『クレアベストニームベンチャーズ』と、カジノ施設を運営する『シーザーズ・エンターテインメント』を事業者として進めている、カジノを含むIRに関する誘致計画。人工島の「マリーナシティ」を候補地としています。

その誘致計画に関して、2022年2月7日に資金調達方法や区域整備計画案を県議会のIR対策特別委員会で公表しました。

今回の委員会は議論が約7時間も行われ、資金調達に関しての説明が不十分だという意見が相次ぎました。和歌山県が2021年11月に行ったIR対策特別委員会でも、今回と同じく資金調達への説明が不透明だとして、予定していた地元住民への公聴会やパブリックコメントを延期しています。

県は、初期投資額の4700億円の調達方法や『クレアベストニームベンチャーズ』の事業体制などを説明しました。出資3割、借り入れ7割の配分として、クレアベストニームベンチャーズが55%、シーザーズ・エンターテインメントが5%、残る40%は「少数株主」として、借入先はスイスの金融大手「クレディ・スイス」を幹事にすると公表しています。

これに対して、委員からは「なぜ、大阪のように具体的な全ての企業名を出せないのか?」と厳しい意見が出ました。県は「企業名を明らかにする了承がとれていない」と説明しています。

また、地元マスコミ向けに公開された計画案では、2027年秋ごろの開業を予定しているとして、日本の伝統文化を体験できる「魅力増進施設」などを建設予定だと公表されました。

売上については、2030年度の総来場者を約1300万人と想定して、売上については運営時で約3100億円を見込むとされています。

すでに県は、カジノを含むIRに関して施設名を「ThePACIFIC」と名付け、テーマを「和歌山の自然資源と世界最先端のテクノロジーの融合」と公表していました。

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この資料を基にした公聴会やパブリックコメントを実施して区域整備計画案を作成していきます。また、2022年2月9日からこの計画案を県IR推進室のHPで公開をする予定となっています。パブリックコメントの募集も2022年2月9日から募集を開始します。

地元住民への説明会や公聴会は新型コロナウイルスの蔓延を理由に、14回の開催予定でしたが、3回ほどに留まる可能性があると話しています。

今回、区域整備計画案に目新しい情報がなかったことや、改めて資金調達に関して具体的な説明がなかったことなど、問題点が多く見受けられました。今後、県が事業者とどう調整を進めていくのか、注目していきます。

【参考】和歌山県IR推進室