大阪府・市が、夢洲を候補地にすすめている、カジノを含む統合型リゾートの誘致計画。
事業者には「日本MGMリゾーツ」と「オリックス」を中心として設立した「大阪IR株式会社」を指定して、開業に向けた様々な調整を行っています。
不動産鑑定を依頼した4社中3社で一致
その大阪で、今回の誘致計画で使用する用地の賃料が、不動産鑑定を依頼した4社中3社で一致したことが問題視されています。
これは、大阪市議会で問題視され、「3社が同じ値段で一致するのはおかしい」という声が挙がっているものです。この指摘に対して、用地を所管している大阪港湾局は業者への誘導はなかったと説明。
松井一郎大阪市長も、全くの偶然で誘導など問題があった場合は「来年分の報酬を全て返上する」と強気のコメントを発表しています。
今回の不動産鑑定については、これまで日本でカジノを含む統合型リゾートの実績がないことなどから、国内で営業している大型商業施設の土地取引価格を参考に算定したようです。
そのため、3社が「1平方メートルあたり月額賃料が428円」で一致してしまったようです。市は、他の鑑定士らが参加している市不動産評価審議会の答申を受けたうえで、年間賃料を「約25億円」と設定していました。
市議会は、この鑑定結果を受けて賃料が安くなった可能性があるとして「市が事業者を優遇している」と疑問視する意見を出しました。
誘致計画について混乱をしている大阪
大阪では、今回の誘致計画についてさまざまな調整を行っています。住民などからギャンブル依存症を心配する声が出たことをきっかけに、「大阪依存症センター(仮)」を開設する方針を打ち出しています。
また、候補地の夢洲については、液状化や地盤沈下などの問題を国から指摘されています。
関連記事
カジノを含むIRの認定が「年内は厳しい」との発言を受け、大阪と長崎の反応は?
国土交通省が、カジノを含む統合型リゾートの認定について「年内は厳しい」と発言したことを受け、大阪と長崎からコメントが発表されています。
日本における、カジノを含む統合型リゾート誘致の大本命と言われている大阪。それだけに、さまざまな問題が露呈することになっています。はたして、国の審査をクリアして晴れてカジノ開業に向けて前進することはできるのでしょうか?