大阪カジノを含むIR誘致、住民投票条例案は反対多数で否決

吉村知事は「改めて住民投票を実施することには意義を見出し難い」

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大阪カジノIR誘致、住民投票条例案は否決

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大阪で市民団体が、カジノを含む統合型リゾートの誘致に関して「住民投票条例の制定」を直接請求していた問題の続報についてお伝えします。

大阪府・市が候補地を夢洲として進めているカジノを含む統合型リゾートの誘致計画。事業者には「日本MGMリゾーツ」と、「オリックス」を中心として設立した「大阪IR株式会社」を指定して準備を進めています。

大阪維新の会や公明党などからの反対が多く否決

その大阪で、大学教授や弁護士を中心とした市民団体が、カジノを含む統合型リゾートの誘致に関して、「住民投票条例の制定」を直接請求していました。

これは、誘致計画が住民を置き去りにして進められているとして、住民投票の実施を求めているものです。直接請求をするために集めた署名は、有効数が19万2773筆となり府民の関心の高さを物語っていました。 2022年7月29日に府議会は臨時議会を開き審議を行いました。最終的には、大阪維新の会や公明党などからの反対が多く否決され、住民投票は行われないことが決定。自民党府議団は住民投票に賛成すると表明していました。

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吉村知事「改めて住民投票を実施することには意義を見出し難い」

請求を受けた吉村洋文知事は、すでにIR誘致についてまとめた「区域整備計画」が、府議会の可決を得ているとして、反対の意見書を議会に提出。「改めて住民投票を実施することには意義を見出し難い」と発言しています。

市民団体の関係者も議会に出席し、山川事務局長は会議場で、「選挙で選ばれた議員が決めたと、それだからいいんだと、私たち住民の意見を封殺している」と発言。住民投票の必要性を最後まで訴えました。

現在、大阪府・市は2022年4月に国に対して「IR整備計画」を申請しています。開業時期は2029年秋ごろを予定して、事業者とともに調整を続けています。

今回、約20万もの住民投票を求める署名が集まったことは大きな話題を集めました。住民投票は行われませんが、夢洲の土壌汚染問題やギャンブル依存症に関する心配も住民からは出ています。 今後、どういった形で調整を進めていくのか、注目していきます。