大阪府・市が、事業者に「日本MGMリゾーツ」と、「オリックス」を中心として設立した「大阪IR株式会社」を指定して、準備を進めているカジノを含む統合型リゾートの誘致計画。夢洲を候補地として、2029年の冬ごろのカジノ開業を目標としています。
「ギャンブル依存症対策本部」の設置を検討
その大阪で、「大阪維新の会」の府議団が、「ギャンブル依存症対策本部」を府に設置するなどの条例案を提出すると現地テレビ局などが報じています。
誘致計画に対して反対を表明する地元住民からは、カジノができることでギャンブル依存症患者が急増するのではないかと不安視されていました。
この案は、吉村洋文知事を本部長として、「大阪府ギャンブル等依存症対策推進本部」を設置するというものです。推進本部の設置とともに、近年ニュースを賑わせている違法なオンラインカジノや公営ギャンブルなどについて、若者への啓発に積極的に取り組んでいくとしています。
また、あわせて対策に関する財源を確保する目的の「基金の新設」、さらに有識者や支援者が参加する「推進会議」も新設する方向です。府では現在、国の「ギャンブル等依存症対策基本法」に基づいた推進計画を策定しています。
誘致計画に反対を表明している団体にも動き
この条例案の提出にあわせたタイミングで、誘致計画に反対を表明している団体の事務局長は会見を開き、「カジノは要らないんだということを、しっかり政府に届ける」「許可をするなと主張をはっきり出したい」とコメントしました。
現在、大阪では「カジノの是非は府民が決める住民投票をもとめる会」が、IR整備を担当する国土交通省に、誘致計画を認定しないことを求める「請願書」を提出するなど反対運動を加速させています。
さらに、候補地となっている夢洲に関しては、土壌汚染の対策費で約790億円の公費が必要になっています。対策費に対して、市民団体などが大阪市に「土地契約の差し止め」を求め住民監査請求を行っています。
カジノを含む統合型リゾートの誘致計画については、各地で反対運動も起きています。今回の、「ギャンブル依存症対策本部」の設置が功を奏するのか、注目していきます。