大阪府・市が、夢洲を予定地として進めているカジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致計画。世界的なカジノやIRの運営企業となる『MGMリゾーツ・インターナショナル』と、『オリックス』の共同体が事業者として調整を進めています。
その中で、現在問題となっているのが夢洲の土壌処理などにかかる費用です。夢洲に関しては、基準値を越えるヒ素が含まれ、埋立地ということもあり地震などで液状化する恐れもあり整備をする必要があると言われています。 大阪市は、カジノを含むIRの誘致に関しての土壌対策費として、新たに約790億円を追加すると発表していました。
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2022年2月3日には、さらに万博跡地の整備費用で最大788億円が必要になると試算し、合計で1578億円の追加費用となる予定だとされています。
これは、市議会委員会で大阪港湾局の担当者が説明したものです。市は夢洲を「国際観光拠点」にすると説明し、3期に分けて整備を行っていくと説明しました。
今回の万博跡地の整備費用については、IRと同程度の施設だと想定した上で試算を出したとしています。ただし、費用については、市の特別会計「港営事業会計」内で起債を行うとのことです。これは、カジノを含むIRに関連して、賃料などの収入を基に償還していく仕組みを取るとのことです。
大阪府・市では、カジノに関する公聴会や住民説明会で、今回の追加整備費用に関して疑問を呈する声が多く挙がっていました。こういった住民の声を問題視した大阪市議会の自民党市議団が、「IRの誘致について市民に賛否を問う住民投票」を2022年2月10日に開会する市議会に提出すると発表しています。
今回の巨額の追加費用に関して、大阪市の松井一郎市長は記者団に対して、「大阪市が持っている土地で液状化することが分かりながら知らないふりして貸せることはないでしょう。対応するのは当然だと思う」と話しています。
大阪では、カジノを含むIRの開業時期を2029年度に設定をしています。資金面については、「大阪IR株式会社(予定)」を設立予定で、大阪に縁の深いパナソニックやJR西日本などが出資をすると言われています。 資金面では、同じくカジノを含むIR誘致を目指す和歌山県と長崎県よりも一歩リードしていた大阪だけに、今回の夢洲の整備に関する問題はどう決着をつけるのか、注目が集まります。
【写真・参考】大阪府公式サイト