長崎と和歌山で臨時県議会を開きカジノを含むIRの承認を急ぐ

国への「区域整備計画」の提出期限が2022年4月28日に迫る

公開日:

scroll

この記事の概要

カジノを含むIRの誘致計画を推進している和歌山県と長崎県では、臨時県議会を開き議会の承認を得ようと調整を進めています。その詳細をお伝えします。

長崎県は、事業者を『カジノオーストリアインターナショナルジャパン』(CAIJ)に指名して、カジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致計画を進めています。予定地はハウステンボスとして、すでにある施設との相乗効果で多くの観光客を呼び込む計画を立てています。

長崎では臨時県議会を開き承認を得る方針

その長崎県で、2022年4月中旬に臨時県議会を開く方針であることが公表されました。これは、カジノを含むIRの誘致に関して国へ行う「区域整備計画」の提出期限が2022年4月28日に迫っていることが関係しています。時間がない中で、臨時の議会を開き国への申請に必要な県議会の承認を得ようとしています。

県は、県議から初期費用と言われる4400億円をどこから調達するのか説明を求められています。これに対して、「現時点では答えられない」としています。来週の佐世保市議会に明示されると話し先延ばしにしている状況となっています。

長崎のカジノを含むIRは、アジア最大級を目指す規模のMICE施設やオーストリアのウィーンにある5つ星ホテル『ホテルザッハー』と同じブランド名で設置される宿泊施設、また日本文化を前面に押し出した高級温泉旅館も建設する予定だと計画案で公表しています。

はたして、県議会からの承認を無事受けることができるのか?注目です。

和歌山でも臨時の議会を開いて採決

また、同じくカジノを含むIR誘致を計画している和歌山県でも、「区域整備計画」を審議する臨時会を2022年4月14から20日に開催することを決定しました。これは、県議会の議会運営委員会が2022年4月7日に決定したものになります。

開会日となる2022年4月14日には、仁坂吉伸知事が提案理由を説明し、承認に向けてアピールを行います。その後に審議が行われ、2022年4月20日に委員長報告や質疑応答などを経て、県議会で判断がくだされます。

万が一、この議会で承認が降りなければ、申請日に間に合わなくなる可能性が高く、和歌山県は今回のカジノを含むIRの誘致から脱落することになります。

国は、全国で最大3カ所を候補地として選択すると公表しています。はたして、長崎県と同じく、和歌山県でも県議会の承認を得ることができるのでしょうか?注目していきます。