長崎県のカジノを含むIR誘致に関する公聴会で賛否両論

カジノができれば「地元の子どもたちが長崎に残ってくれる」という意見も

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長崎県が『カジノオーストリアインターナショナルジャパン』(CAIJ)を事業者に指名して、ハウステンボスを予定地に進めているカジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致計画。

2027年秋ごろの開業に向けて調整が続いている中で、県内では2022年3月28日に住民から意見を聞く公聴会が開催されました。

現在、県は国に提出するための区域整備計画案をCAIJと共に制作しています。その過程で、公聴会を行い住民からの意見を聞く必要が出ています。

予定地となっているハウステンボス

佐世保の公聴会では地元住民から反対意見が

公聴会は佐世保市で行われ、観光業の関係者など16人が集められました。地元住民からは、交通渋滞に関する意見が出ました。現在でも、ハウステンボスでイベントがある時に交通渋滞が起きているとして、「交通インフラは道路を広げ、海上交通を整備する計画だが、(渋滞を)解消できるとは思えない」と指摘。

また、「自然や歴史、文化、食べ物など佐世保の魅力を活かした政策を望む」と話し、現在ある観光資源を使えばカジノは必要ないと言う反対意見も出ました。

カジノ推進派からは、「地元に優良企業があれば、多くの地元の子どもたちが就職をしたがり長崎に残ってくれる」という意見が出ました。

資金調達についてはコストを約4383億円と試算

今回の事業に対しては、CAIJが約4383億円の資金を調達する見通しだと発表しています。当面の開発にかかる費用や運営費などを含めたコストを約4383億円と試算。資金は、金融機関からの借入金などで約2630億円、参加する企業などから約1753億円として調整をしていくとしています。

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今回の公聴会に参加した16人のうち5人からは観光業の活性化や経済効果があるとして賛成する意見が出ました。残りの11人は治安悪化やギャンブル依存症などを理由に、反対意見を述べていました。

公聴会は、2022年3月30日に長崎市でも開かれる予定となっています。県は、公聴会の意見を反映させながら区域整備計画案を仕上げていくことになります。長崎市で、どういった意見が出るのか?注目していきます。