IR関連の株が急騰のカラクリを解説

杉村倉庫や桜島埠頭など大阪のIR銘柄が買われる

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大阪府・市のカジノを含むIR(統合型リゾート)構想に関係する「杉村倉庫」や「桜島埠頭」の株が、8月23日の株式市場で急騰して始まりました。これは、大阪と共にIRの候補地に上がっている横浜市の市長選挙で、IR反対派の山中竹春氏が当選したことに関連する買いが入ったと思われます。

横浜市長選の影響で大阪がIR構想で一歩リードか?

22日に投開票された横浜市長選挙では、立憲民主党が推薦した元横浜市立大教授の山中氏が、自民党の菅義偉首相が支援した前国家公安委員長の小此木八郎氏や現職で4選を目指した林文子氏らを破って当選しました。

山中氏は横浜でのIR構想に関しては反対をする立場で選挙を戦い続けてきました。

当選した山中氏は「横浜市として『IR誘致』は行わない宣言を早期にする」と発言をしています。これで、事実上は大阪がIR誘致の本命となりました。

IR関連銘柄が上がっていく?

ここで、そもそも「IR関連の銘柄」とは何のか?

上記の2つの銘柄について解説をしたいと思います。

『杉村倉庫』

杉村倉庫は名前の通りに倉庫の会社ですが、大阪を拠点としていてカジノ候補地の夢洲近くに倉庫用の土地を所有していることでIR銘柄と呼ばれています。

『桜島埠頭』

桜島埠頭も同じくカジノ候補地に関係する土地で事業をしている会社です。2つ共に大阪でのIR構想に関するニュースが出ると高騰することで有名です。

さらに、わかりやすいところで言うと大阪のIR事業者に選定されている『オリックス』の株価。こちらも、ここ数字と思惑通りに買われています。

また、かねてからカジノ関連の事業に意欲を見せている『セガサミーHD』に関しては、候補地が横浜であろうが大阪であろうがとにかくIR構想に関する記事が出ると株価が上下する銘柄となっています。

その他にも、紙幣識別のユニットを作っている『日本金銭機械』や、セガサミー HDと同じくアミューズメントに強くカジノ事業にも意欲のある『コナミHD』などがIR銘柄として注目をされています。

IR構想で日本の経済も盛り上がる

今後、大阪府・市でのIR構想が本格化していくことが予想される中で、株式市場の中でも関連銘柄が買われる場面が多くなりそうです。

それだけ、経済界でも注目度が高いのがIR構想です。

現在は、新型コロナの対策の出遅れでアメリカを始めとする欧米諸国より株価が出遅れている日本。業績を上方修正して好決算を発表する企業も多くなっていますが、本格的な復活までは手がかりがない状況が続いてしまっています。

そこで、ワクチンの普及で新型コロナが一段落したときには、IR構想をしっかりと成功させて景気の底上げをする必要が出てきています。

IR構想をただのギャンブルだと勘違いしている方も多いですが、実は日本経済の復興に関して大きな役割を果たす可能性が高い、我々の生活にも少なからず影響がある事業となるのです。