2021年12月23日、オーストラリアにあるカジノ運営大手「クラウンリゾーツ」に対して、同国のビクトリア州規制当局が100万豪ドル(日本円で約8200万円)の罰金を科したと発表しました。
これは、ジャンケット業務に関する規制に違反したもので、同社は2021年4月にも摘発されています。この規制に関しては、オーストラリアの法案で最高額が1億豪ドルまで引き上げられることになり、今後は同様の違反を行うと巨額の罰金を支払うことになります。
今回の違反については、「クラウンリゾーツ」が運営をしている「クラウンメルボルン」が不適切なジャンケット業者と接触をしていたことが原因となりました。この不適切な業者に対して、ジャンケット業務を続けることを容認して関係を持っていたと指摘されています。問題が発覚していたにも関わらず、「クラウンリゾーツ」は当局に対して報告をしていませんでした。
窮地に陥るクラウンリゾーツ
「クラウンリゾーツ」は世界的にも有名なカジノ運営会社ですが、オーストラリアで運営をしているカジノを含む統合型リゾート施設(IR)でマネーロンダリングの疑いがあるとして同国の監督当局がカジノ運営免許保有は不適切としていました。結果として、大幅な経営の改善を行う必要が出てきています。
そんな中、アメリカの投資会社である『ブラックストーングループ』が買収提案を行っています。総額で62億ドルの買収を持ちかけていますが、「クラウンリゾーツ」は魅力的な金額ではないとして現時点では受け入れていません。
今回、ジャンケット業務に関しても当局から罰金を受けたことで、「クラウンリゾーツ」は現状のままではオーストラリアでカジノ施設の運営を続けていくのは厳しくなっています。
マカオでも狙われているジャンケット業務
富裕層などのVIP客をカジノに案内する業務のジャンケットですが、マカオでも問題視されています。マカオのカジノ関連企業の『サンシティ・グループ・ホールディングス』は、最高経営責任者の『周焯華』が越境賭博シンジケートを率いていたとされ逮捕されてしまいました。『サンシティ・グループ・ホールディングス』は、この逮捕をキッカケとしてジャンケット業務を停止しています。また、同じマカオの『タクチュングループ』も、複数のカジノからジャンケット業務に関する協力関係を解消されました。
VIP客に対して、移動から食事、宿泊施設などを手配する仲介業のジャンケット。そういったVIP客の中には、マネーロンダリングをしている疑いのある人物もいると指摘され続けてきました。
今回、世界的にジャンケット業務を問題視する動きがある中で、関係を解消するカジノ施設も多くなってきそうです。
各国でどんな動きとなっていくのか?注目です。