IR贈収賄事件の秋元司被告と関与した「500ドットコム」とは?

注目の裁判は現職の国会議員として鈴木宗男氏ぶり

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IR事業をめぐる汚職事件で、収賄などの罪に問われている衆院議員の秋元司被告と元政策秘書の判決公判が9月7日に東京地裁で開かれます。

IR事業を巡った贈収賄事件として大きな注目を浴びている裁判では、すでに贈賄側では有罪が確定しているのですが両被告ともに全面的に無罪を主張し続けています。

検察側は懲役5年、追徴金約758万円を求刑しているので、有罪判決となれば非常に重い罪に処されることとなりそうです。

そもそもどういった経緯で逮捕されたのか?

秋元被告はIR担当の内閣府副大臣時代に、中国企業「500ドットコム」側から現金提供や旅費負担を受けた『収賄罪』、さらに秋元被告側から証言を覆すよう依頼し現金を渡した組織犯罪処罰法違反(証人等買収)罪に問われています。

秋元被告はこれまでの公判で一貫して無罪を主張しています。

その理由としては、受け取ったと言われる現金300万円はそもそも「受け取っていない」とし、また200万円と言われる高額な講演料を受け取ったことに関しては「協力の対価という認識」と反論しています。

また、組織犯罪処罰法違反(証人等買収)罪については「真実を話さないのか、理由を知りたかった」と偽証を求めるつもりはなかったと主張しています。

500ドットコムという企業はなに?

そもそも今回、秋元被告と関与が疑われている『500ドットコム』とはどんな企業なのか?

創業当初は、宝くじをネット上で販売するシステム開発などを請け負って業績を大きく伸ばしました。その後、中国政府と関係性が深い企業となり、2012年にはオンラインスポーツくじの販売を認められて中国国内で人気を博しました。

2013年にはニューヨーク証券取引所に株式を上場させるなど順調に成長。しかし、政府がサッカーくじに対して規制を強化したことで売り上げと利益が激減。

さらに、中国国内でインターネットでの不正賭博が横行したことによって、オンライン宝くじの販売禁止令を発しました。

ほとんどの業務が出来なくなった500ドットコムは株価が暴落し、その結果として証券取引法に違反する疑いがあるとして調査を受ける事になりました。

その後、2019年に秋元被告に賄賂を送ったとして、日本法人の元役員や顧問などが逮捕され、すでに執行猶予付きの有罪判決が言い渡されています。

秋元被告に判決が言い渡されるのは鈴木宗男氏以来

二人の有罪判決については、秋元被告の関与が認定されていることも含めて元政策秘書と共にどんな判決が下るのか注目が集まっています。

秋元被告が現職の国会議員として収賄事件の判決を受けるのは、平成16年にあっせん収賄などの罪で実刑判決を受けた鈴木宗男氏以来となります。

今後のIR構想に対しても、注目される裁判となることは間違いありません。