全国でカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致が進む中で、意外な場所からも声があがっています。東北地方の山形県新庄市が、地元の若手経営者などを中心にカジノを含むIRの誘致に向けた計画を練っています。
今回、誘致に向けて動いているのは新庄市で製造業などを営んでいる若手経営者の約20人です。2021年10月に新庄市で誘致委員会を設立していたとのことです。
新庄市の若手経営者たちがカジノを含むIRの誘致を計画するのは「低迷する地元の経済を立て直す起爆剤にしたい」という強い思いがあるそうです。もしもIRの誘致が成功すれば、年間数百億円の税収が見込めるほか、新たな雇用も生まれて若者の人口流出の抑制につながると主張をしています。
委員会は共同で誘致を進めるパートナーとして、マカオでカジノ経営の実績があるという横浜市に本社がある企業とアドバイザリー契約を結んでいるとのことです。4000億円の投資を念頭に入れているとのことです。誘致が成功した際には、1日3万人、年間3500億円の売り上げを見込んでいるとのことです。しかし、具体的な施設に関しての構想は明かされていなく、どうやって売上を確保するのかについてはわかっていません。
誘致委員会の委員長を務める渡辺淳志さんによれば、「10年後20年後の未来を描きたいという声が多く上がっている。大きな夢を描ける新庄市になると考えている」と地元のテレビ局の取材で答えています。
現時点では、委員会の発足から1ヶ月ほどしかたっていませんが、すでに賛同者が1000人を超えているようで、今後は自治体の新庄市にも協力を呼びかけていくそうです。その上で、山形県に対しては年明けにも計画の概要と申請を求める要望書を提出していくとしています。
今回の誘致に関しては、ライバルとなる大阪府・市や和歌山県、長崎県などと違い、自治体が主軸となって動いているわけではないようです。
現在は、有力候補地の大阪府・市と長崎県を始め、和歌山県が名乗りを上げているカジノを含むIRの誘致。それぞれの地域が、カジノ運営の実績のある企業などを事業者に認定して調整を進めています。
2022年4月までに国への認定申請を行っていく必要がある中で、そもそも今回の新庄市の取り組みは時間的に間に合うのか?注目が集まるところです。