経営トップの交代も発表されたカジノ運営の「ウィン・リゾーツ」はどんな会社?

日本でも横浜市のカジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致に参加

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これまで、日本でのカジノを含む統合型リゾート施設(IR)に関していくつもの会社が事業者として名乗りを上げてきました。

その中で、とくに横浜市に強く興味を示したのがアメリカの『ウィン・リゾーツ』です。

『ウィン・リゾーツ』はスティーブン・ウィン氏によって2002年に設立された不動産デベロッパーで、従業員数約29万人、ネバダ州パラダイスに本社を置いています。これまで、ラスベガスやマカオなどのIR開発を成功させた実績を持っています。具体的には、『ウィン・ラスベガス』(ラスベガス)、『ウィン・マカオ』(マカオ)、『ウィン・パレス』(マカオ)、『アンコール・ボストンハーバー』(ボストン)などが挙げられます。

2019年6月23日には、アメリカのボストン郊外に『アンコール・ボストンハーバー』をオープンして話題となりました。アメリカの都市部に特化した新しいコンセプト『地域融合型リゾート』の全米初のプロジェクトとなり、新型コロナウイルスの影響を受けながらも人気となっています。 そんな『ウィン・リゾーツ』は、2021年11月9日にクレイグ・ビリングス社長兼最高財務責任者を、現在のCEOマット・マドックスの後任に指名すると発表しました。同日に発表された第3四半期の売上は9億9460万ドル(約1120億円)となり、アナリスト予想を上回る結果となり、新型コロナウイルスからの復活をアピールしていました。2022年以降は新体制でさらなる躍進が期待されています。

ウィン・パレス

日本でのIR事業に熱心だった

また、同社は早くから日本でのカジノを含む統合型リゾート施設(IR)に関心を持っていて、2018年12月に日本法人となる『Wynn Resorts Development Japan合同会社』を設立しました。2019年12月には横浜のみなとみらいに事務所を設立しています。

日本法人の公式サイトによれば、同社の企業理念は「人を幸せにできるのは人だけ」という考えに基づくそうです。『日本ならではの統合型リゾートサービスの提供』を強調しており、「おもてなし」という言葉を何度も繰り返していることを見ても、日本的なサービスにも興味を持っていた事がわかります。

その後、新型コロナウイルスの感染拡大や日本のカジノに関するライセンス付与の計画の遅れなど事情が重なったため、『ウィン・リゾーツ』は計画変更を余儀なくされたようです。横浜市がIR誘致を撤回したこともあり、アメリカのメディア報道によれば横浜の事務所は閉鎖されたそうです。

ただし、正式に日本からの撤退の意思を示したわけではなく、引き続き関心をもっているとも報道されました。今後、その動きが気になる会社のひとつといえるでしょう。

【参考】Wynn Resorts, Limited