アメリカ・バージニア州のカジノ開発候補地調査、ピーターズバーグでの単独開発案が優勢に

地元選出の上院議員は「ピーターズバーグだけにリゾート地を作りたい」

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アメリカ・バージニア州のカジノ予定地について報告書を公表

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この記事の概要

アメリカ・バージニア州のカジノ予定地に関して、リッチモンドとピーターズバーグの2市でカジノ開発・運営を許可した場合のシミュレーションが行われました。

アメリカ・バージニア州の共同立法監査および審査委員会(JLARC)は、2022年10月17日にカジノ候補地に関する独自調査の結果を踏まえ、同州内のピーターズバーグが適しているという報告書を公表しました。

両市でカジノをオープンすると競争が激化

これは、共同立法監査および審査委員会が報告書として公開したものです。

それによると、同委員会では州内におけるカジノ開発候補地として、リッチモンドとピーターズバーグの2市でカジノ開発・運営を許可した場合のシミュレーションを開始。仮に許可した場合は、いずれの都市においても採算に見合うという結論が出たといいます。

報告書によると、ピーターズバーグにおいては、仮にカジノの開設が許可された場合はカジノ客を充分に惹きつけることができるとしています。同委員会の試算によると、オープン後の最初の1年間で、およそ2億4000万ドル(約350億円)のギャンブル総収入を生み出し、2500万ドル(約36億円)の税収をもたらすほか、1300人程度の正規雇用が新たに地元で創出される見通しであるそうです。

しかし、リッチモンドとピーターズバーグの両市でカジノをオープンすると競争が激化することで、いずれかの1都市に絞る必要があることも示唆されています。

上院議員の発言でもピーターズバーグが有利に

なお、バージニア州では、2020年に州内のリッチモンド、ノーフォーク、ポーツマス、ブリストル、ダンビルで各都市1箇所ずつのカジノ開発を許可したものの、リッチモンドだけが住民投票で承認が得られず、実現しなかったという経緯があります。

その後も、民主党系の市長を中心とした地元勢力が、住民への理解を求める運動を積極的に行うも2021年の住民投票では51%対49%の僅差で承認が得られていません。そのため、今後もこうした状況が続き、仮に承認されたとしても潜在的なリスクとなる可能性はあると指摘されています。

こうした点を踏まえる形で、バージニア選出でピーターズバーグを拠点とするジョー・モリッシー州上院議員は「25マイルほどしか離れていない場所に2箇所もカジノがあれば共食いになってしまうので実現しないだろう。それならば、ピーターズバーグだけにリゾート地を作りたい」とコメントしています。

同上院議員の発言やその影響力を考慮すると、今後はピーターズバーグで新カジノの開発が行われる可能性が高いと見られているそうです。