マカオのカジノ売上、2022年は前年比で47%回復する可能性

中国本土との渡航規制の緩和が鍵となる

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証券会社のサンフォード・バーンスタインは2022年1月12日に、マカオにおける2022年のカジノ売上(GGR)が、前年比で47%ほど回復する可能性があると発表しました。

サンフォード・バーンスタインのアナリスト、ヴィタリー・ウマンスキー氏はレポートで、香港とマカオ間の渡航規制の緩和について、第1四半期の終わりか第2四半期の初めに行われる予定だと主張。

マカオと中国本土の渡航について改善されるという予測を提示した上で、今年の夏頃までにマカオのカジノ売上が上向くことを示唆。それは前年比で47%の回復に達すると見られています。

しかし、新型コロナウイルスの新規感染者が多くなり、輸送や旅行に制限がかけられて渡航者そのものが減った場合は、この数値に満たない可能性もあると付記しています。

なお、マカオから10kmほど離れた中国本土・広東省の丹州で、新型コロナウイルスの新たな感染例が見つかりました。丹州およびマカオに近い本土の都市・朱海との間にある輸送網が現在停止しているほか、2022年1月12日には香港当局が市内で新規感染者が確認されたことを報告しています。

また、世界的に見てもオミクロン株が大流行の兆しを見せていることから、香港特別行政区行政長官兼初代国家安全維持委員会主席の林鄭月娥は、2022年1月4日の声明で、香港・中国本土間で計画されている検疫なしの出入国ルールが、先延ばしになる可能性があることを示唆しています。

世界一のカジノ売上を誇るマカオですが、2021年11月にジャンケット関連会社大手『サンシティ・グループ・ホールディングス』のCEOである周焯華が、越境賭博シンジケートを率いていたとされ逮捕されました。 この逮捕に合わせて、VIP客をカジノでもてなす役目となるジャンケット業務に関する締め付けが厳しくなっています。マカオ政府は、「娯楽場幸運博彩経営法律制度」と呼ばれる通称・カジノ法の改正を行う方向で調整を進めています。その中で、マカオのカジノ業者はジャンケットのVIP客用の特別な部屋を用意できなくなる予定です。また、カジノ業者に対してライセンスに関する規制も変更されそうです。

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さまざまな変革が起きている中で、マカオのカジノ売上は回復するのか?注目をしていきます。