ネバダ州のカジノ、スタッフの積極採用で州の失業減に貢献

すでにコロナ禍前を超えるほどの勢いとの情報も

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ラスベガスを中心に雇用が回復

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この記事の概要

コロナ禍からの復活を目指すアメリカで、カジノ産業の好況によりネバダ州の失業率が劇的に回復していることがわかりました。詳細をお伝えします。

コロナ禍が直撃し各地で深刻な失業率となっているアメリカ。しかし、ネバダ州はカジノ業界の採用ラッシュなどが功を奏する形で、2022年5月に失業率5%を切ったことが明らかとなりました。

ネバダ州では約9万6300人の雇用者が増加

これはネバダ州雇用・訓練・リハビリテーション局が先ごろ発表したもので、同州の発表によると2022年5月の失業率は、2022年4月から下がり4.9%とコロナ禍前に近い水準となったとしています。

なお、1年前の2021年5月に集計した数字と比較すると、ネバダ州では約9万6300人の雇用者が増加していると発表されています。

“アフターコロナ”となってからも、全米各地で雇用状況に劇的な改善があまり見られない中で、ネバダ州でこのように目覚しい結果が生じているのは、同州内に200カ所以上のカジノがあるからです。

世界的にも有名なカジノタウン・ラスベガスがあり、それらの中枢を担うカジノ業界が積極的な雇用を行っているからとされています。

ネバダ州は既に“回復モード”から“経済拡大”の段階へ

実際、2022年5月にラスベガスでは4800人分の雇用を増やし、1年前からの累計では8万6100人以上の新規雇用・再雇用を行っているとされています。

さらに、リノ地区では2022年5月に800人もの雇用が増加しているといいます。こうした雇用が生まれる背景には同州のカジノ産業が、コロナ禍明けの規制緩和・解除により過去14ヶ月間連続で、10億ドル以上の収益を記録するなど、好調な業績となっているからです。

こうした同州におけるカジノ産業の好況と、それに伴う形で行われている積極的な雇用について、DETRのチーフエコノミストであるデイビット・シュミット氏は「ネバダ州の雇用市場は、“回復”という水準を超えてコロナ禍前の状態を超える水準にまで伸びている」とした上で、「ネバダ州は既に“回復モード”から“経済拡大”の段階へと移行していると言える」と分析しています。

世界一のカジノによる売上をほこるマカオでは、再度となる新型コロナウイルスの市中感染で混乱が起きています。そんな中、ラスベガスを中心としたネバダ州では、カジノ施設が順調すぎる回復を見せていることが分かる結果となりました。

今後、カジノ産業はラスベガスを中心に回っていくことになるのか?注目です。