アメリカ・テキサス州知事選で再任のアボット知事、商業カジノの開発許可を検討へ

すでに水面下ではラスベガス・サンズもロビー活動を展開か?

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テキサス州で再任のアボット知事、カジノの開発許可を検討

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この記事の概要

アメリカのテキサス州知事選で再任したアボット知事を巡って、ラスベガス・サンズが動くなどカジノを巡った動きが出はじめています。

アメリカ・テキサス州で行われた知事選挙を経て再任が決定した、現職知事のグレッグ・アボット氏。

再任早々に、州内における商業カジノの開発許可について検討することを改めて示唆しカジノ業界で注目を集めています。

カジノ業界大手のラスベガス・サンズがロビー活動を開始の情報も

もともと保守層の根強いテキサス州では、カジノサービスをはじめとするギャンブル事業に否定的な声も多く、保守地盤であるアボット知事もカジノ業界からの要望を受け入れづらい状況でした。

しかし今回の知事選では、対立候補のベト・オルーク氏が、「財源」として早い段階でカジノ開発に積極的な姿勢を打ち出していました。

「テキサスでギャンブルを許可することで、毎年何十億ドルもの歳入が見込めるわけです。それを使えば、学校財政の強化をはじめとする教育の充実化に加え、固定資産税の引き下げも可能となるでしょう」(「フォートワース・スター・テレグラム」紙)と、一般市民にも大きなメリットがあることを強調。急速にその支持層を拡大していました。

これを受けて選挙の終盤では、アボット知事も本格的な商業カジノの開発について、一気に態度を軟化させる発言が目立つようになったといいます。

その後、再任が決定したアボット氏は、商業カジノの開発に関する態度や発言を変えていません。ようやく同州では、カジノ開発に関する議論が本格化すると見られています。

ここまでアボット知事が態度を軟化させた背景には、オルーク氏との戦いに加え、選挙期間中にアボット陣営にカジノ業界の複数の重鎮から多額の寄付があったことによる影響も指摘されているそうです。

また、テキサス州の上院議員であるキャロル氏が、州内に賭博監視委員会を設置した上で、最大4箇所のIR施設と小規模な賭博場などを建設することを想定する住民投票を求める法案を提出。州内でのカジノ開発について急速な追い風が吹く状況となっています。

なお、実際の議論については、2023年1月以降になると見られていますが、水面下ではカジノ業界大手のラスベガス・サンズが、多額の費用を使いロビー活動を展開していると言われ、早くも動きが見られています。