シンガポール政府は新たなギャンブル規制機関となる「Gambling Regulatory Authority of Singapore(GRA)」を作り出しました。
暗号通貨などを使用するオンラインギャンブルにも注目
今回、発足する「GRA」は、旧「カジノ規制庁」の業務を引き継ぎつつ、新たな項目について監視・規制する権限を持たせる形で新設されるもので、最高責任者は旧「カジノ規制庁」で最高責任者をつとめていたテオ・チュン・チン氏が任命されたと言われています。
この発足に際して、シンガポール政府では第二内務大臣をつとめるジョセフィン・テオ氏が参加する形で調整を行っています。
テオ大臣は「最近のギャンブルの中には、暗号通貨を使用するものや、その他の暗号技術を使用するケースなど、従来には見られなかった様々な形のものが登場しています」とコメント。
急速に台頭している様々なオンラインギャンブルで、暗号技術など新要素を内包する形で展開されていることについて触れた上で、「規制」という観点からこれまでの旧「カジノ規制庁」ではカバーしきれていないという実情を指摘しました。
シンガポールにおけるカジノギャンブルの規制システムをさらに強化するために、現行の管理法だけでは足らないことで計画を進めているとしています。
その上で、「今回の発足は、我が国におけるギャンブルの規制強化に向けた重要な第一歩であると言えるでしょう」とコメントしました。
デジタル化が進むギャンブル業界に対応
また、「GRA」のテオ・チュン・チン氏は、テオ大臣の発言を踏まえる形で旧「カジノ規制庁」時代とは違い、今後は本格的なデータ分析やAIなどの高度な新スキルを職員たちに習得させることを明言。
デジタル化、暗号化が急速に進むギャンブル産業全体の動きに対して、対応可能な組織づくりを目指す意向であることを語っています。
なお、シンガポールでは米国拠点のラスベガス・サンズの子会社が運営する「マリーナ・ベイ・サンズ」と、ゲンティン・シンガポールが運営する「リゾート・ワールド・セントーサ」が観光客にも人気のカジノとして知られています。
これらの施設とは別に、インターネットギャンブルについては数多の海外事業者が展開していて、多くのシンガポール国民がプレイしていると推測されています。
今後、どういった規制を作っていくのか注目していきます。