カジノ関連の企業というとこれまでは欧米が主軸というイメージがありましたが、近年ではアジアに拠点を置く運営会社が躍進しているケースが目立ちます。
そのひとつが、マレーシアに本社を置く『ゲンティン・グループ』です。
同社は1965年にマレーシアの実業家である林梧桐氏によって設立され、マレーシア証券取引所に株式を上場している『ゲンティン社』を中核とした企業グループです。
現在では、『ゲンティン・シンガポール』、『ゲンティン・マレーシア』 (マレーシア証券取引所に上場)、『ゲンティン・ホンコン』(香港とシンガポールの証券取引所に上場)、『ゲンティン・プランテーションズ』、『キェン・ファット・リアルティ』といった子会社によって構成されています。 カジノを含むIRをはじめ、テーマパーク、ホテル、ナイトクラブなど数々の事業を幅広く手がけています。
特色豊かなカジノを含むIRを開発するゲンティン・グループ
主要な事業としては、マレーシア・クアラルンプールの郊外、標高約1700メートルの高原でカジノや遊園地、ゴルフコースを提供している『ゲンティン・ハイランド』や、シンガポールのセントーサ島に建設された東南アジア最大級といわれる『リゾート・ワールド・セントーサ』といった、大規模なカジノを含むIRがよく知られています。
2006年にはイギリスで最大規模のカジノ運営会社のスタンレー・レジャー社を買収。2016年からは豪華客船『ゲンティン ドリーム』(約15万トン、乗客定員3352名、客室数1674室)によるクルージング事業もスタートしました。また、アジアだけでなくイギリスやアメリカ、バハマ、オーストラリアなどにも進出しています。
日本では、2008年に『ゲンティン・インターナショナル・ジャパン』を設立。以後、ゲンティン・シンガポールが2014年に子会社を3社設立し、2017年にも1社、さらに2018年には5つの子会社を設けるなど、活動を続けています。
2021年6月には、横浜市が誘致を目指していたカジノを含むIRの事業者として応募をしていたこともわかりました。残念ながら横浜市が誘致を撤回しましたが、虎視眈々と日本でのカジノ事業を目論んでいるようです。 今後、『ゲンティン・グループ』が日本のカジノを含むIRに関してどう関与をしてくるのか?注目されます。
【参考】ゲンティン・グループ
※画像は「ゲンティン・グループ公式サイト」より引用