1946年に「バグジー」の異名を持つギャング、ベンジャミン・シーゲルが建設したラスベガスのカジノホテル『フラミンゴ・ラスベガス』が、2021年12月26日で75周年を迎えました。
現在は、『シーザーズ・パレス』、『バリーズ』、『パリス』などを運営する『シーザーズ・エンターテインメント』が運営し、ラスベガス大通り(ストリップ)の最も象徴的なスポットの1つに数えられています。
『フラミンゴ・ラスベガス』は、1980年代に差し掛かると、周囲に『ミラージュ』や『トレジャーアイランド』『ルクソール』といったメガカジノリゾートが乱立し、そうした施設がラスベガス大通りをテーマパークのように彩るようになる中でも、独特な存在感を示し根強い人気を誇っていました。
しかし90年代に入ると、『フラミンゴ・ラスベガス』がギャングであるベンジャミン・シーゲルによって生み出されたものであるという点が、批判的なニュアンスで扱われることも増えました。
1996年には、フラミンゴヒルトンのスポークスマンであるテリーリンドバーグが、「フラミンゴの歴史的な意味での過去を、より魅力的に演出するような真似はせずに、そっと心に留めておきたいと考えています。我々は“バグジーの遺産”から、一歩引いた状態にしておくことを決めました。」と、当時のメディアに対して語るなど、ホテルの運営側でさえも、『フラミンゴ・ラスベガス』というカジノホテルの“過去”に対して、ネガティブに捉えていたことがありました。
しかし、そこから四半世紀が過ぎ75周年を迎えた現在、人々の意識や『フラミンゴ・ラスベガス』を巡る状況は大きく変わりつつあります。たとえば、2020年には2人のギャングスター、ベンジャミン・シーゲル(バグジー)と、マイヤー・ランスキーにちなんで名づけられたステーキハウス『バグジー&マイヤーズ ステーキハウス』が、1000万ドルもの巨費を投じてオープンし、ホテルの敷地内にあるフラミンゴの生息エリアには、シーゲルの功績を記念した盾も飾られるようになりました。
こうした変化について現在『フラミンゴ・ラスベガス』を運営する『シーザーズ』の地域戦略社長をつとめるショーン・マクバーニー氏は、「街自体が成熟した段階となったことで、フラミンゴの本当の意味での歴史的過去について、人々が受容するようになった」と分析しています。
また、ミズーリ大学理学部の名誉教授であるラリー・グラッグも、「『フラミンゴ・ラスベガス』は本当にラスベガスの要となるロッジだといえます」と、その“過去”を含め、改めて同カジノホテルを称賛しています。
今年75周年を迎えたことで、『フラミンゴ・ラスベガス』は、ラスベガス大通りで一番古いホテルとなりました。これからも進化を続け、人々に目新しい発見とエンターテイメントをもたらすラスベガスの象徴として人々に愛され続けていくことでしょう。