大阪府と大阪市が、「夢洲」を候補地として進めているカジノを含む統合型リゾート(IR)の開業計画。大阪は、国から整備計画の認定を無事に受け、日本ではじめてとなるカジノの開業を進めています。
事業者は「日本MGMリゾーツ」と、「オリックス」を中心に設立した「大阪IR株式会社」に指定。現在は、当初の目標としていた2029年秋~冬よりも遅れ、2030年上半期ごろの開業がささやかれています。
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大阪のカジノを含むIR開業で、重要になってくるノンゲーミング事業
そんな大阪のカジノを含むIRの開業に関して、気になるニュースが産経新聞により報じられました。りそな総合研究所の「荒木秀之」主席研究員の試算として発表されたもので、カジノ以外のノンゲーミング事業の売り上げが、現在の見通しとなる年間1000億円から2.5倍の2500億円になる可能性があると報じられています。施設を充実させることで実現するとしています。
【参照】産経新聞「大阪IR 非カジノ売上高2・5倍に りそな総研試算」
ノンゲーミング事業に関しては、言葉のとおりにカジノ以外の売り上げになります。例としては、IRに設置されるホテルや国際会議場、娯楽施設、商業施設などカジノ以外の複合的な施設です。この、IRに関しては、「Integrated Resort」の頭文字を取ったもので、「宿泊施設」、「商業施設」、「飲食施設」、「映画館アミューズメント施設」、「各種スポーツ施設」、「温浴施設」など、さまざまなものが挙げられます。
特に「MICE」と呼ばれる、企業・団体等の会議、企業・団体等が実施する報奨・研修旅行、セミナーなどを行う施設は大きな役目を果たします。世界各国から人が集まることで、カジノで遊ぶ人も増えるからです。
今回の試算をした荒木氏は、水族館やマリンレジャーが充実しているシンガポールを参考にすべきだと提言しています。あまりにカジノに売り上げが集中してしまうと、ギャンブル依存症などの問題も出てしまい、結果として思ったような成果が挙げられない可能性もあります。大阪のカジノを含むIRの開業についても、地元住民を中心としてギャンブル依存症対策が大きな課題となっています。
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大阪府・市が「2030年上半期」を目指して、進めているカジノを含む統合型リゾートの開業計画。問題視されている、「ギャンブル依存症問題」について、さまざまな動きがありました。
記者の一言メモ
開業に向けて、さまざまな問題が出ている大阪のカジノを含むIRの開業計画。今回の試算のように、非カジノ部門の売り上げをしっかりと計上することが重要な課題となりそうです。