大阪のカジノを含むIR、賃料の監査請求について「合議不調」と発表

自民党大阪市議団は賛否を問う「住民投票条例案」を市議会に提出

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大阪のカジノを含むIR、賃料の監査請求について「合議不調」

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大阪で、カジノを含む統合型リゾートの誘致計画について、賃料に関する監査請求の結果が出ました。また、自民党大阪市議団は賛否を問う「住民投票条例案」を市議会に提出しています。

大阪府・市は、「夢洲」を候補地にカジノを含む統合型リゾートの誘致計画を進めています。誘致は事業者に「日本MGMリゾーツ」と「オリックス」を中心として設立した「大阪IR株式会社」を指定して、大阪府・市と共にさまざまな調整を行っています。

月額料金が「完全に一致」していたことが不当だと監査請求

そんな大阪で、候補地となっている夢洲について、賃料設定が不当か調べていた大阪市の監査委員が、「合議不調」になったと発表しています。

この問題は、夢洲の用地を巡って、市民グループが鑑定業者3社の算定した賃料に対して、1平方メートルあたりの月額料金が「完全に一致」していたことが不当だとし、監査請求しました。

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大阪府・市がすすめているカジノを含む統合型リゾートの誘致計画について、候補地・夢洲の賃料が「不当に安く違法」だと住民監査請求が行われました。

大阪・カジノを含むIR誘致で市有地の賃料について住民監査請求

カジノを含む統合型リゾートの誘致計画において、建設予定地になる夢洲の「49ヘクタール」の市有地について、賃料が安すぎるとしているものです。大阪市は、事業予定者に土地を「35年間」貸し出す予定で賃料を算出。この賃料に関して、大阪市が2019年に不動産鑑定業者4社に対して査定を依頼しましたが、その月額料金に問題があるとしているものです。

市の監査委員が、2023年3月15日に監査結果を発表し、「市からの価格の指示や業者間の調整があったとまでは認められない」と判断したと、地元テレビ局などが報じています。

しかし、一部の委員は「開業予定の鉄道駅の効果などを折り込んでいない」などと指摘し、監査請求に対して、委員の意見が一致しない「合議不調」という結果が言い渡されました。この結果に対して、請求人の市民グループ代表は記者会見で、「グレーな状態で終わっている」として、今後も同じ趣旨の住民訴訟を起こす予定だと記者会見で発表しています。

【参照】ABCニュース「大阪IR賃料は適切?市監査委員は「意見まとまらず」 大阪市の指示・談合までは「認められない」と判断」

さらに大阪では、自民党大阪市議団が、誘致計画の賛否を問う「住民投票条例案」を市議会に提出。大阪維新の会や公明党が反対する形で否決されました。2023年3月に、自民府議団などが条例案を大阪府議会に提出し、反対多数で否決されています。

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大阪で、カジノを含むIRに関する「住民投票条例案」が否決

記者の一言メモ

カジノを含む統合型リゾートの誘致計画を進める大阪では、さまざまな反対意見が出ています。一つずつクリアして、誘致計画を行っていく必要があります。

【参照】毎日新聞「大阪IR問う住民投票条例案、市議会も否決 ダブル選で争点化動き」