日本のカジノを含むIRの誘致計画の進捗、関心の高まりはどうなっている?【2022年最新まとめ】

大阪と長崎が誘致計画を進める。ポーカーを始め、カジノへの興味関心は上昇

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日本のカジノを含むIRの誘致計画の進捗、関心の高まりはどうなっている?【2022年最新まとめ】

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2022年にさまざまな動きがあった、日本におけるカジノを含む統合型リゾートの誘致計画。この1年を振り返り、現在誘致計画を進めている大阪と長崎の状況をお伝えします。

2022年は、日本における「カジノを含む統合型リゾート(IR)」の誘致計画が進展した年となりました。現在は、大阪府と長崎県が国に対して「区域認定申請」を行い、カジノを含む統合型リゾートの開業に向けた認定を待っている状況です。

今回は、2022年のカジノを取り巻く各地の動向を振り返りたいと思います。

誘致を行う候補地の経緯と現状

日本におけるカジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致については、当初は全国から8自治体10ヶ所が候補として名乗りを上げていました。

その後、2019年には北海道が環境問題への配慮などを理由に断念。さらに2021年には有力候補地のひとつだった神奈川県横浜市も、地元住民の反対や誘致反対派の新市長が就任するなどの状況から、正式に誘致活動の撤回が決まりました。

東京(台場)、愛知(名古屋、常滑)、大阪(夢洲)、和歌山(マリーナシティ)、長崎(ハウステンボス)の5自治体6ヶ所がそれぞれ誘致に向けての活動を進め、2021年後半には大阪、長崎、和歌山の3自治体が最有力候補として注目を集めました。

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ところが、2022年4月の申請期限の直前に、和歌山は誘致を断念すると発表。

誘致推進派の仁坂吉伸知事が意欲を示し、事業者も指名するなど積極的な活動を進めてきましたが、2022年4月20日に開かれた県議会で区域整備計画の承認議案が反対多数により否決されました。これによって、和歌山は誘致活動からの離脱を余儀なくされることになりました。

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このような経緯から、日本で最初のカジノを含む統合型リゾート開業の可能性は、「大阪」と「長崎」に絞られることになり、それぞれが申請期限までに国土交通省に区域整備計画を発送したことが公表されています。

2022年の大阪府・市の動き

大阪の誘致計画については、2021年末から具体的な計画について概要が公表されています。2021年12月には、初期投資額である約1兆800億円のうち、「日本MGMリゾーツ」と「オリックス」がそれぞれ40%ずつを出資。残る20%を関西電力やNTT西日本など20社が出資することになり、その額は合計で1000億円超になると報じられました。

この出資によって、誘致活動をメインで行う「大阪IR株式会社」を設立。候補地としてあげられている夢洲への鉄道施設の開発も進められるなど、インフラの整備も進行しているようです。

ギャンブル依存症対策なども積極的に進める

さらに、カジノの誘致に伴ってギャンブル依存症が懸念されるという意見があることから、2022年10月には「ギャンブル依存症対策」を強化する条例が可決され、次いで2022年12月にはギャンブル依存症に関する相談やサポート、ケアなどを実施する「大阪依存症センター(仮称)」を開設する方針が公表されました。

一方、誘致に反対する活動も続けられています。2022年9月には、現職市議や首長経験者などによる市民団体「NO!大阪・IRカジノ」のメンバーが国土交通省を訪れ、計画を認定しないよう要望する賛同書を提出しました。

また、大阪市が国から夢洲の地盤について、必要な書類の提出を求められていると報道されました。本命視されている大阪でも、誘致計画についてはさまざまな問題をはらんでいます。

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2022年の長崎県の動き

長崎県は、佐世保市にあるテーマパーク「ハウステンボス」を誘致先とし、事業者に「カジノオーストリア・インターナショナル・ジャパン」(CAIJ)を指名して誘致計画を推進しています。加えて、運営を行う企業体として「KYUSHUリゾーツジャパン」が設立されました。

これまで、初期費用の捻出について詳細は明らかにされていませんでしたが、2022年8月になってアメリカの金融大手「キャンター・フィッツジェラルド」が約10億ドル(約1350億円)を出資する予定であることが明らかになりました。

また、カナダの投資会社「クレアベスト・グループ」も最大約5億ドル(約675億円)規模で出資する予定があると発表。その後は、スイスの金融大手「クレディ・スイス」も出資する意向があることを公表するなど動きが出ています。

そんな中、候補地となるハウステンボスですが、2022年8月に運営元だったHISから約1000億円で香港の投資会社「PAG(ピーエージー)」に売却されることが発表されました。

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佐世保市の朝長則男市長は市長選挙に立候補しないことを表明

長崎では、2022年10月に、佐世保市が誘致を成功させた際の雇用増加に関する調査結果を発表。大手コンサルタント会社による調査結果として、市内の人口が1万1528人増えるという予測で、雇用や経済効果を期待する内容を公表しています。

ただ、これまで誘致計画に深く関わっていた、佐世保市の朝長則男・市長が、2023年4月に行われる市長選挙に立候補しないことを表明。後任の市長が誰になるのかも注目をあつめるところです。

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国内では、ポーカーゲームやイベント、アミューズメントカジノが大盛りあがりに

日本では、カジノに関連したゲームやイベントで着実に変化が見られました。

まず、2022年はアミューズメントカジノが増加しています。

渋谷にアミューズメント・ポーカーバー「GoodGame Poker Live」がオープン。このほかにも、都内に続々と新しいタイプのポーカースポットが誕生しています。2022年9月には都内最大級のポーカールーム「MUSASHI POKER ROOM」もオープンしました。

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渋谷だけでなく、2022年7月には池袋に「ダイニングダーツバーBee 池袋」とタイアップする形でポーカースポットとなる「池袋 de Poker」がオープン。ほかにも、大塚に謎解きゲームとコラボしたアミューズメントカジノ『ResPo』など、特色ある店舗が注目を集めています。

東京だけでなく、IR誘致を目指す大阪でも、2022年5月に日本最大級のアミューズメントポーカーハウス「歌留多」がオープンしました。延べ床面積100坪を越える店舗にポーカー12テーブルを備え、内装も神社仏閣を連想させるような、日本を強調し外国人にもアピールする工夫がなされています。

こうした状況から、アミューズメントカジノ関連の求人も急増しています。大手求人サイトを検索すると、ディーラーやホールスタッフの求人などを多く見かけるようになっています。

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さらに、カジノに関するゲームに対するニーズの増加もあり、パチンコ・パチスロで有名なサミーは2021年7月からテキサスホールデムポーカーが遊べるアプリ「m HOLD’EM(エムホールデム)」のサービスを開始。東京・目黒にアプリと同コンセプトの実店舗をオープンしました。

カジノに関するイベントも、「Japan Open Poker Tour」や「World Poker Tour Tokyo」など、大規模会場で次々と開催され大盛況となっています。

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ポーカーの盛り上がりなど、確実に日本ではカジノに対する関心が高まっています。今後、カジノを含む統合型リゾートの誘致計画がどう進むのか?引き続き、当サイトでは動向を追っていきます。