長崎市でカジノ誘致に向けた公聴会を開催、住民からは賛否両論

県内各地への波及効果を期待する声も

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2022年3月30日には住民から意見を聞く公聴会を長崎市で開催しました。詳細をお伝えします。

事業者を『カジノオーストリアインターナショナルジャパン』(CAIJ)に指名して、カジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致を計画している長崎県。

候補地をハウステンボスとして、さまざまな調整を行っています。そんな中で、2022年3月30日には住民から意見を聞く公聴会を長崎市で開催しました。 すでに佐世保市で公聴会は行われていて、交通渋滞に関しての反対意見や、「地元に優良企業があれば、多くの地元の子どもたちが就職をしたがり長崎に残ってくれる」という賛成意見などが出ました。

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住民からは賛否両論が巻き起こる

今回の長崎市での公聴会は、県内各振興局とオンラインでつなぐなどして開催。事前公募で選ばれた8人の公述人が意見を発表しました。今回は4人が賛成、4人が反対という立場での発言となりました。

対馬振興局から賛成意見を述べた男性は、新型コロナウイルスの影響で冷え込んでいる経済状況を説明した上で、「国内外から多くの人が訪れることで、対馬にも波及効果が期待できる」と発言しました。

反対意見の女性からは、ギャンブルとなるカジノでの収益が売上の殆どを占めるとした上で、「誰かが負けた金で観光を活性化することが正常か?」という意見が出ました。また、依存症の対策や反社会的勢力の排除がきちんとできるのかなど懸念事項があげられました。

こういった意見に対して、県でIR推進担当となる企画部の吉田慎一政策監は、「懸念される事項への対策をしっかり整えて計画案に更に磨きをかけたい」と発言しています。

県はこれまでの意見をまとめて国へ申請

県内で2回行われた公聴会には合計24人が参加。ここまで出た意見を踏まえた上で、県はCAIJと共に「区域整備計画案」を取りまとめていきます。その計画案を基に佐世保市議会の同意と、県議会の議決を受け正式に国へ認定に向けた申請を行うことができます。

すでに観光スポットとして有名なハウステンボスを誘致先としているだけに、注目を集めている長崎県のカジノを含むIRの誘致計画。 この計画案は2022年4月28日の期限までに国へ提出する必要があります。今後も、長崎県の動向に注目していきます。

【参考/写真】九州・長崎特定複合観光施設区域整備計画(案)